カンタside
編集が終わり、今日投稿する動画の準備も終えた
椅子にもたれかかり、何をしようかと考えるがトミーとひなちゃんのことが頭から離れずにイライラとする
やり場のない怒りだけが積もっていく中、俺の部屋をノックする音が聞こえてきた
まんずがコンビニで買ってきたおにぎりやパンを受け取り、それを口に運ぶ
そして、ふと思った疑問をまんずに投げつける
俺がまんずに問いかけると質問の内容を理解したまんずは顔を赤く染めて、口元を抑えながら…
一人で考えるように下を向くと、少し経ってからまんずが口を開いた
フフッと笑みを浮かべるまんずを見ながら、まんずなら…と思って、自分の胸の奥にあるモヤモヤ気持ちを吐き出した
そうまんずに言われ、顔が熱くなった
自分の顔が赤くなってると自分でもわかるほどに顔が火照っている
頑張って言い訳を考えようとするが、上手く言葉が出てこない
小さな疑問を相談していたはずが、何故か後輩にからかわれている笑
いつもなら、トミーが助けてくれたりする……そういうとこ結構好き…とか思ってしまった
嫌という程いつも一緒にいるのになんでこんなにも早くと思ってしまうのだろう…これは恋愛経験した事がない焦りからか、ヤキモチなのか、それとも…………
《ガチャン》
扉の開く音と共に聞こえてきた待ち望んでいた声にさっきまでのモヤモヤした心が一気に吹っ飛んだように胸が高ぶった
そう言葉を残し、立ち去ろうとするまんずに言い残した事があると思い、引き止めなければと思い…
迷惑かもしれない…なんてネガティブな事が頭の中を巡っているとまんずはいつものような柔らかい笑顔で…
まんずに話を聞いてもらえて、気持ちが軽くなった気がする
今度はまんずの話も聞いてあげたいなと思い、今日は久しぶりにトミーと夕食を食べようかなと考えながら、トミーの待つ玄関へと駆け足で向かう
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。