第153話

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2024/08/04 11:24
本当になんとも無さそうでよかったわ。2日間あなたちゃん達と蓮のそばにいたけど、ピクリとも動かなかったもの。
あぁ。純喜くんも練習の合間を縫って来てくれたんだぞ。
純喜
純喜
いやいや!大したことじゃないっす!ね!あなた!
You
You
あぁ。……あ、蓮。ここゴミついてる。
蓮
え?どこ?
You
You
…………………………
蓮
………ありがと。
You
You
ん。それより、起き上がったけど腰は痛くないのか?
蓮
やめてよ、関節ギシギシのおじいちゃんじゃないんだから。
You
You
そうか、ごめん(笑)
You
You
とにかく、蓮が起きてよかった。色々話したいことあると思うから、私たちは出てます。ゆっくりしててください。





私は純喜と羽純の袖を引っ張って、半ば強引に部屋を退出した。









純喜
純喜
え?蓮と話さんの?
You
You
私よりもまずは親と話した方が安心できるだろ。私はいつでも来れるし。落ち着いてからでいいの。
純喜
純喜
そう?
You
You
……いい人達だよな。蓮の親。
純喜
純喜
やろ!蓮に似てて明るいし面白いで!
You
You
そっか。
純喜
純喜
蓮のママは料理上手で、一人っ子の蓮が大好きーって感じダダ漏れよな。蓮のパパは蓮にダンス勧めた張本人で、よくボケたりして2人困らせてるらしい。よく3人で旅行とかも行ってて…………ぁ…





急に口を塞いで黙り込む。




大体、予想はつく。




You
You
いいよ。気にしないで。
純喜
純喜
………ごめん。
You
You
気にすんなって(笑)





純喜が、私の親がもういないことは、この前の拓実との戦闘で耳にしている。



そんな私の前で親の話をするのは、常識的にもいけないと思ったんだろう。




You
You
私には美化された思い出しか残ってないから。悲しかった記憶はもうない、乗り越えたんだ。だから平気。
純喜
純喜
あなた……
羽純
羽純
………
You
You
……けど昨日、蓮のお母さんに、蓮と同じくらい私のことも心配してるって言ってくれて、すごい嬉しかった。私にはお母さんの記憶は無いから、母親の無償の愛ってこんなんなんだって思った。羨ましいとは思ったけど、また寂しくなったとかそういうのは無い。だから遠慮とかいらないよ。ありがと。





暫くの沈黙が訪れる。




純喜
純喜
…………あ。
You
You
何。
純喜
純喜
……蓮に言うてないよな。
You
You
何を?
純喜
純喜
蓮が怪我した嘘の理由。蓮ママとパパには違うこと言うてるから話噛み合わんくない?
You
You
あぁ。それなら大丈夫、蓮に言ったから。
純喜
純喜
言った!?いつ!?
羽純
羽純
ほら、肩にゴミついてるって言った時ですよ。
純喜
純喜
………あぁ!あの時!え、あの時!?
You
You
蓮は頭いいから絶対すぐ飲み込んでくれるだろうと思って、めちゃくちゃ要約して話した。
純喜
純喜
なんて言うたん?
You
You
蓮は私を庇って暴漢に襲われた。
純喜
純喜
…………え、それだけ?
You
You
うん。
純喜
純喜
蓮よぉわかったな…俺なら絶対わからん……
You
You
純喜は絶対わかんないだろうな。
羽純
羽純
右に同じく。
純喜
純喜
ひどぉ!
You
You
自分でわかんないって今言ったじゃん(笑)
純喜
純喜
言うたけど!2人ともそんな真顔で言うことないやん!
You
You
ちょっと声のボリューム落とせ。うるさい。
純喜
純喜
さーせん。





廊下に3人で出てから、約10分ほど雑談したあと。



















蓮の両親が部屋から出てきた。


待たせちゃってごめんね〜!
You
You
いえ。蓮の調子はどうですか?
絶好調よ!お父さんと漫才かってぐらいの会話してたし(笑)
純喜
純喜
蓮らしい(笑)
蓮が君たちと話したいそうだ。
You
You
え?まだ話しててもいいのに……
ちょうどお昼の時間だし、外で何か食べてからまた戻ってくるわ。それまでゆっくり蓮と話してて。
You
You
いいんですか?
積もる話もあるでしょうしね。遠慮しないで。
You
You
………ありがとうございます。





2人は仲良く部屋を後にし、私たちは蓮の部屋に足を踏み入れた。

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