看護師『ちょっと!危ないですよ!走らないで!』
看護師の静止を無視して、周りに気をつけながらも全力で病院内を駆け回る。
確か、どこかに病状説明室とかなんかがあるはずだ。
蓮の親がそこに居るはず。
先生もいるはず。
知らせなければ。
1階にその部屋はあった。
〈使用中〉の札がかかっていたが、構うことなく扉を雑に開ける。
ガラガラガラッ!!
医師『すみません、今は病状説明をしている最中ですので、用がある場合は看護師を通して___』
全員急ぎで部屋を出て、すぐに蓮の元へ向かった。
全力で往復走ったせいで息が切れそうだったが、構わず病室に向かった。
蓮の顔の一部分が少し動いただけで、起きたかどうかはわからない。
ただ、丸2日以上特になんの変化もなかったのに急に反応が出たということは、そういうことなんだろう。
部屋の前に着いた途端、急に足が動かなくなった。
部屋に入れない。
目の前が見えない。
どうしよう。
親子の泣き声が聞こえてくる。
すぐそこのはずなのに、やけに遠く、小さく聞こえた。
起きた。
蓮が、目を覚ました。
私は、1人で泣いた。