ロズワール邸 朝 とある客室
ん?もう朝か…
あら、目覚めましたわ、姉様
そうね、目覚めたわね、レム
今何時なんだ?
今は陽日七時ですのよ、お客様
今は陽日七時になるわ、お客様
七時か…
えーと、教えてくれてありがとう
君たちはここのメイドってことで合ってるかな?
はい、その通りです、お客様
ええ、その通りよ、お客様
息のあった、双子だね
姉様の言い方がちょっと気になるけど、それが姉様の味ってやつかな
ありがとうございます。お客様
ところで俺と一緒にいた男の子は?
はい、庭でエミリア様といます。お客様
はい、庭でエミリア様と戯れております。お客様
あはは、何という毒舌
そういえば、自己紹介がまだだったな
俺はヒビキよろしく
はい、お客様、改めヒビキ君
レムはレムと言います。
はい、お客様、改めヒビキ
ラムはラムよ
おう、ラム、レムよろしく
レムレム、ヒビキの方があのお客様よりまともよ。
姉様姉様、全くもってその通りです。
スバルひどい言われようだな
えーと、俺の服は…
はい、ヒビキ君、修繕と洗濯しておきました
え、わざわざすまない
なかなか珍しい素材だったから直すの苦労しただろ
はい、確かに珍しかったので直すのに時間はかかりましたが、喜んでいただき何よりです。
洗濯もどう洗えばわからなかっただろうに
ええ、ヒビキ、確かにめんど…めんどくさかったわ
言い直せてないー、でも二人ともありがとう
よし、俺も中庭に行くか…
あの、ヒビキ君
どうした
もうすぐ朝食なので、食堂に来てください
あー、わかった
なら、配膳とか手伝わせてくれ
いいえ、お客様にそれもエミリア様の命の恩人でもあるヒビキ君にそのようなことはさせれません
いいんじゃない、それくらい
姉様…
その方がラムにとっても楽だもの
姉様がそう言うのであれば…
ヒビキ君お願いしてもよろしいでしょうか?
おう、任せておくれ
移動中
ん?
どうかされましたか?
いいや、ただこの部屋が気になってな
開けていいか?
はい、ですがただの客室ですよ
ガチャリ
全く、あの男に続いてこの男を引き当てるとは、あの子娘余計なものを連れてきやがったかしら
君は…
ベアトリス様‼︎
ちょうど良かったです。朝食のお時間なので食堂へ来てください。
わかったかしら
後から行くのよ
はい、お願いします。
ガチャ
ベアトリス
はい、この屋敷の禁書庫の番人ベアトリス様です。
ヒビキもう一度、扉を開けてみなさい。
いない、普通の客室になってる
これがベアトリス様の扉渡り
一度、ベアトリス様が扉渡りしたら屋敷の扉を総当たりしない限り見つからないわ
なーこの扉渡り便利だけど、欠点が二つあるな
欠点?
欠点?
そう、まず一つ
この扉渡り、この屋敷の中ならどことでも繋がるんだろ、なら一つだけ閉めて他を開けっぱなしにすれば、そこだけしか繋がらない
それもそうですね。
確かに、どうしても見つからない時はそうするしかないわね
そして二つ目
気でわかる
気?
気?
そう、気だ?
この気を探ればどこにいるか一目でわかる
ヒビキ君その気とは?
あー気は生き物全てに存在する。まー簡単に言えばマナみたいなやつだ。
これは、微精霊や精霊にもある
ベアトリスのこの気は少し特殊だからすぐわかる
ヒビキ君その気というものどうしたらわかりますか?
んー感じろとしか言えないなー
今度時間がある時、教えてあげるよ
いいんですか?
おう、ラムもどうだ?
そうね、それが使えたらなにかと便利だと思うし
二人は双子なんだよね、共感覚っていうのかなそういうのはないの?
いえ、あります
なら覚えるのは早いからもしれない今日大丈夫な時間帯あるか?
夜しかないですね
今日はいろいろと忙しいもの
手伝うよ?
この道着を修繕や洗濯してくれたお礼を兼ねて
ヒビキ君、家事とか得意ですか?
あー、こう見えて一人暮らしは長いんだ任せてくれ
それでは、お願いします。
あ、そうだ中庭時々修行に使っていいか?
修行ですか?
あー、いろんな技を習得したいしな
構いませんが、くれぐれも庭を破壊しないようにしてください。
了解
さてとそんなこんな話してるうちにできたっと
ヒビキ君助かりました。
おう、どういたしまして
助かったわ。ご苦労様レム、ヒビキ
ラム姉様は椅子に座ってただけのように見えたのだけど…
配膳のバランスを見ていたのよ、いい出来よ
はい、さすが姉様素敵です。
すげーな姉妹愛
あ、ヒビキ
おはよう、エミリア
おはよう、傷大丈夫?
今はなんともない、治療してくれてありがとう
どういたしまして
おーいい匂い、ヒビキ起きたのか
おう、おっすスバル
あはぁ、元気なもんだねぇ。いーぃことだよ、いーぃこと
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。