おっと...
転送開始20分前...
『さ、桜子ちゃん...そ、そろそろ...』
菊地原「雑談はここまでにして、早く解説進めないと時間なくなるよ?」
『(き、菊地原くん.....)』
武富「おっと...!私としたことが..!!大変申し訳ございません!さっそく、今回のB級ランク戦夜の部、上位戦の部隊についておさらいしていきますね!」
『(ズバッと言うなぁ....)』
毒舌な所と無愛想な所は1年前と変わってないんだ...
まぁ...
『(根はとっても優しい子なんだけど...)』
武富「それでは...!生駒隊がマップを選択する前に、それぞれの隊について軽くおさらいしていきましょうか!」
颯也「お〜!俺まだ知らないことばかりだから助かる!!」
と、興味津々の颯也
武富「それでは、今シーズン期待の新星!メテオラ炸裂ルーキー、颯也隊員と、観客席にいらして下さった方々のためにも...」
武富「実況の私、解説のあなた先輩と菊地原先輩で分かりやすく丁寧に説明していきたいと思いまーす!!」
『はーい、がんばりまーす!』
菊地原「僕、隊員の解説的なの出来ないからあなたに任せるね。」
『ちょ、...えぇ...』
解説....実質、私1人のようなもんじゃん....
武富「こほん、ではでは....」
桜子ちゃんは咳払いをし、手元にあるパネルを動かした
武富「まずは...不動のB級トップ!二宮隊!」
武富「それに続いて、不動の2位、影浦隊!どちらもB級不動の2トップであり、A級にまで上り詰めたこともある実力派部隊です!」
颯也「ふ、不動の2トップ!?なにそれ!?どんだけ強いの!!?それに、A級って言ったよね!?A級ってすごいんだよね!!」
思わず席から立ち上がってしまうほど、食い気味、興奮気味の颯也。
武富「そりゃあ、もう!!!すごいだけでは足りないくらいですよ!!」
颯也「へぇ〜!試合楽しみだなぁ...」
武富「うんうん!そしてそして、不動の2トップに対する2部隊は生駒隊と王子隊!」
武富「こちらの2部隊も、前シーズンから上位入りしている実力派部隊ですからね!今回の試合はハードな戦いが見れそうです!」
武富「まぁ...これは一応解説の方々に聞くのがセオリーですので....今回の組み合わせについてですが、解説の方々はどう思われますか?」
と、桜子ちゃんは私達解説に話を振る
『うーん、私もここ1年ボーダーを辞めていたのもあって、最近のランク戦についてあまり詳しくは知らないので期待はしないでくださいね....』
武富「いえいえ!全然構いませんよ!」
『そう?ありがとう、桜子ちゃん。まぁ、B級不動の2トップの実力は私も知ってるよ。』
『この2チームがA級に居たってこともあって、実際にランク戦で戦ったことは山ほどあるから...強さは身に染みて知ってるよ。』
颯也「うん!強そうなのはわかる!」
武富「ほぉーなるほど!菊地原先輩も、その2部隊の実力についてはどう思われますか?」
菊地原「どう思うも何も...A級に居たことは確かだし、強いんじゃない?まぁ、僕たちとは比べ物にならないけど。」
武富「おー!さすがA級3位風間隊!!強者の余裕だー!っと...」
武富「時間ギリギリなの忘れてました...えへへ...残りの生駒隊、王子隊の2部隊については....」
『はい、まず...生駒隊...マイペースだけど、隊員全員が実力もちゃんとあるし、チームのバランスもしっかり取れてる。』
『中でも私は...生駒さんによく個人ランク戦でお世話になったんですよ。』
まぁ、いつも私のボロ負けで終わるんだけど...
『それに、ウチの部隊と生駒隊は、メンバーのポジションが全く同じなんです。』
武富「ほう....確かに!アタッカー2人、シューター1人、スナイパー1人のバランスが取れた構成ですね!」
颯也「あ!そうそう!この人!隠岐先輩!俺、この前本部で道に迷ってた時に、助けてもらったんだ!あっ、絵馬さんも会ったことあるよ!」
武富「おーそれはなんと!」
連絡先も交換しちゃったんだ〜と嬉しそうに笑う颯也
『生駒隊はフレンドリーな人が多くて、付き合いやすいですよね。そして...王子隊...えっと...』
私は手元にあるパネルを拡大して確認する
『ちょっと、これはビックリしました...ほら...その、王子先輩と蔵内先輩って...私がボーダー辞めた時は弓場隊にいたじゃないですか...』
武富「そうですね!王子先輩と蔵内先輩は、元弓場隊のメンバー。王子先輩は自分の隊を作り上げるために脱退を決めたそうですよ!」
『なるほど...それに蔵内先輩もついて行ったんだね。』
『隊を作り上げたばかりでも上位に組み込めちゃうのほんとに凄いなぁ...前シーズンから上位入りしてるんだよね?』
武富「はい!そうですね!」
『うん...やっぱりすごいや、それに...王子先輩は頭が切れるから隊長にピッタリだね。』
武富「ですね!あなた先輩の部隊...桃河辺隊も、この調子で勝ち進めば、いずれ上位の部隊に当たりますからね。」
『そうですね。でも負ける気はありませんし、1位取るつもりでやってますから。それに...』
『ウチの颯也なら二宮さんにも負けません!ウチの火力ゴリ押し最強シューターです!!』
私は颯也の肩をぽんと叩く
颯也「うん!俺の自慢のトリオン量を武器に頑張ります!」
武富「おー!それはそれは!明後日に行われる桃河辺隊の試合にも注目ですね!」
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!