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第87話

Dear. 4
あなた
あなた
りーぬくん!
彼女は俺をりいぬ、とはっきり言わない
あなた
あなた
りーぬくん、あのね…
りーぬ、とぼんやりと伸ばして俺の名前を呼ぶ

優しくて心地のいい声が耳をくすぐる






俺はあなたが好きだった








──数年前...


















莉犬
莉犬
ヤバい、遂に来ちゃったよ…
俺はそこに着いて、思わず固まってしまった
さとみ
さとみ
さすがにデカいよな
ころん
ころん
夢の舞台!って感じ
ジェル
ジェル
今からここでライブすんのかぁ
るぅと
るぅと
…すごい
そう。今日は俺の夢でもあり目標だった
東京ドームのライブがある


早朝にドームの前で皆が瞳を輝かせている
ななもり
ななもり
そーだよ。今からこのおっきい会場でリスナーさんを楽しませるの!皆でね!
なーくんが皆よりも1歩前に出て言う
ななもり
ななもり
こんな機会もう無いかもしれない…今日来てくれる人に感謝して、全力で頑張ろう!
振り返って俺たちの目を見て話すなーくんに
全員で強く頷いた
ジェル
ジェル
っしゃあー!待っとけよ東京ドーム!!
ころん
ころん
コテンパンにしてやるからなああ!
さとみ
さとみ
いや、意味分かんねえよころんw
すとぷりって笑顔に溢れてるけど、やっぱり
全員揃わないと少しだけ物足りない気がする
ゆら
ゆら
お待たせしましたー
ピュレ
ピュレ
うんわぁ!でっか!!!!
らら
らら
こんな会場でライブしたら私たちなんてお米サイズに見えちゃうよ!
そう、ちぇぷりも揃わないと
ななもり
ななもり
おはよーう皆!
たい
たい
なーくん!皆もおはよう!
わこ
わこ
おはようございます
やっぱり。ちぇぷりも揃ったらもっと明るくて
笑顔が溢れてくる

俺は少しだけキョロキョロしてから
立ち尽くしている彼女を見つけてすぐさま
声を掛けに行った
莉犬
莉犬
あなた!
あなた
あなた
あっ、りーぬくん
俺の方を見たあなたはいつものように朗らかに笑った
あなた
あなた
おはよう!調子はどう?
莉犬
莉犬
超絶絶好調!あ、でも実は楽しみすぎて昨日寝れなかった…
あなた
あなた
あはは、りーぬくんらしい笑笑
あなたは俺から視線を外して東京ドームを見た
あなた
あなた
その視線は真剣で、熱くて
莉犬
莉犬
…?
何かを覚悟したような、そんな強い目で俺は
少しだけ違和感の様なものを感じた














莉犬
莉犬
リハ疲れた…キツいぃ
ころん
ころん
それな…リハは楽しくない
るぅと
るぅと
まあ仕方ないですよ。リハしないと本番でちゃんと出来ないですし
リハ終了後、3人で俺の楽屋に集まって
ぐったりと机に突っ伏していた
莉犬
莉犬
でもあと4、5時間したら本番始まっちゃうんだよなぁ
ころん
ころん
夢みたい…誰かほっぺつねって
るぅと
るぅと
いーですよ
ころん
ころん
…ってててて!!るぅとくん強すぎるってば!??
そんなやり取りをする2人を見ながら俺は笑った

でもころちゃんが言ったように本当に夢みたいで…これが本当に現実なのか分からないくらいで




今まで6人で走った道や、選んだ事、
迷って悩んで苦しいことももちろんあって
どれが正解か分からなかったけど
莉犬
莉犬
(間違った事もあったけど…それも全部含めて“すとぷり”だよね)
今なら胸を張って言えると思えた



















そう思えた、はずだった


















あなた
あなた
私あなたは、本日をもちまして
ちぇぷりを卒業します
莉犬
莉犬
(…え、)
最後の挨拶、俺や皆に渡されたタイムテーブルと
違う事が起きた
莉犬
莉犬
なん、で…
マイクを持っている事も忘れて、俺は
ぽつりと呟いてしまった

周りの皆を見ると、俺と同じで目を丸くして
ただ呆然としていた


1人少し前に出て話すあなたの顔が見えなくて
莉犬
莉犬
(どんな顔して、)
一体どんな顔して、
莉犬
莉犬
(そんな事話してるの?)
あなたの口から出た言葉、今までの過去、
これからの事

メンバーも、相方の俺だって知らないもので
とても耐え難いものだった
莉犬
莉犬
(どうして普通に話せるんだよ…なんで、なんで、)
なんで1人で全部背負っちゃうんだよ
1人で全部抱え込んじゃうんだよ


涙も出ないくらい、俺は突然の出来事に
打ちひしがれてしまった


















ライブ終了後、皆であなたの楽屋に向かった

あなたはただ、「ごめんね」と繰り返して
俺たち全員に書いた手紙を渡して
あなた
あなた
ばいばい
最後みたいに、そう言った
またいつものように控えめに笑ってそう言った


あなたの居なくなった楽屋で、まるで
葬式みたいに静かになって
ジェル
ジェル
…あなたちゃんってホント、ずりぃよな
莉犬
莉犬
ジェ、ルくん…?
あなたの前で明るく笑っていたジェルくんが
声を震わせながら泣いた
ジェル
ジェル
なんだよもう…っ
ジェルくんの涙につられるように
皆でバカみたいに泣いた

ただ1人を除いて
るぅと
るぅと
何も発さず、立ち尽くしていた
るぅとくんが突然
るぅと
るぅと
っ、
飛び出すように楽屋を出た
ころん
ころん
るぅとく…
たい
たい
行かせてあげよう
わこ
わこ
…きっと、最後にあなたちゃんと話したいんだよ
るぅとくんがあなたに追いついて話せたのか、
それとも話せなかったのか、その事実は
るぅとくんとあなたにしか分からない事だけど


















莉犬
莉犬
るぅとくん。大丈夫?
その日の帰り、俺はいつまでも静かな
るぅとくんに声を掛けた
るぅと
るぅと
大丈夫…じゃないけど
るぅとくんは少し笑った
るぅと
るぅと
1番大丈夫じゃないのはあなただから、僕は頑張らなきゃ
弱々しい声で、でも強く言った

















...
莉犬
莉犬
(あの時のあなたは、辛かっただろうな)
大人になって、もう一度思い返しても
あなたの決断、それを1人で全部持って
出ていってしまった事の凄さを感じる

俺は電車の窓の外を見て、もう一度手紙に目を通した





「実はこれ、誰にも内緒の話だけど
俺は今好きな子がいます。

大切にして、幸せにしてあげたいと思える子です。


未来の俺なら誰だか分かると思うから
名前は出さないでおくよ。

その子は今元気かな?幸せそう?
俺が幸せに出来てたら嬉しいな。
あ、フラれてたらごめんねww」
莉犬
莉犬
(うんー。フラれちゃいないけど玉砕だぞw)
過去の俺に心の中で合掌をする


「まあ俺にも幸せに出来る子がいたら
その時は全部かけて幸せにしてあげたいよね。

そんな子が、未来の俺にいたらいいな。」
莉犬
莉犬
「とりあえず健康には気を付けて!
自分を応援してくれる人を大切に。
自分の仲間を信じていけ!!

10年後の未来が、キラキラしてるものだって
そんな期待しながら10年待っとくよ。」
手紙はそれで終わってしまった


読み終わったと同時に、停車駅に着いて
少し感動しながら俺は改札を出て
とある目的地まで歩いていた
莉犬
莉犬
(安心しろよ10年前のちびっこい俺)
ちゃーんと身長だって伸びるし、
俺は俺らしく楽しく元気に活動してる

辛い事ももちろん待ち受けてるが、
振り返ってみればいい思い出になるものばっかり






あともう1つだけ10年前の俺に伝えとこう

お前はまだ、会えてないと思うけど




















みりぃ
みりぃ
あっ、先輩!
莉犬
莉犬
みりぃ
みりぃ
ど、どうかしました?
莉犬
莉犬
…んーん。何でもないよ!
ほら、早く家入れてよ!
みりぃ
みりぃ
ええ、絶対何かあるじゃないですか!まあお家には入れますけど~…
俺にもちゃんと幸せにしたいと思える子

見つけたよ