第33話
第29話
今は莉犬くんと綿あめを買って
少し歩き疲れたのでベンチに座ってます!
大きい綿あめで
莉犬くんの顔が隠れてる
綿あめを小さくちぎりながら
口の中にポンと入れる
口に入れた途端に溶けていく綿あめ
クセになるんだよね〜
莉犬くんは直接綿あめを食べていたからか
口の周りに溶けた綿あめが付いていた
サッとハンカチを取り出して莉犬くんに渡す
そう言うと口の周りを拭き始める莉犬くん
ぱっと私の手を取って莉犬くんが
満面の笑顔で言った
どう表現すればいいのか、といった感じで
悩んでいる莉犬くんに思わず笑う
突然手を離して私から顔を逸らし始める莉犬くん
ん?なになに?
ヒョイっと顔を覗き込むと…
髪の色にも負けないくらい
莉犬くんの顔が真っ赤になっていた
手握ってたのが急に恥ずかしくなったのかな?笑
先をスタスタと歩く莉犬くんを
手荷物を持って小走りに追いかける
人混みに紛れた莉犬くんを見失ってしまった
とりあえず人混みを避けて
人通りの少ない所へと避難するも…
いつもの方向音痴が出てしまい
見たこともない通りに来てしまった
携帯を取りだし、莉犬くんに電話をかけるも…
どうしよう…どうしよう…
前から来たるぅとくんの声を聞いて
何だか安心して…
涙で歪んでるぅとくんの顔は見れないけど
優しい声が私の不安を取り除いてくれた
涙が収まり、近くの神社の階段に座っている
ガックシと頭を下げると
るぅとくんがくすくす笑った
沈黙の時間が過ぎていく
でも何だか心地よくて…
と思ってしまった
携帯を確認したるぅとくんが
顔を上げると…
バン!と大きな音をたてながら
空には大きな花火が上がっている
色とりどりの花火が空を彩る
2人で笑い合いながら花火を見る
好きな人、か…
満開の赤い花火があがる
あはは、と作り笑いを浮かべる
初めて言われた言葉に何だか
嬉しくて胸がドキドキして…
その言葉に何だか少し悲しくなった
その人を思い浮かべたのか、ふふっと
るぅとくんが笑った
心がチクチクして
棘が刺さったみたいな感覚がする
るぅとくんには好きな人がいる…
“その好きな人、私だったらいいのに”
…
あれ?私今、何て思った?
あ、そっか、私…
るぅとくんが好きなんだ