第66話
番外編8
いよいよ結婚式当日になった
俺は今猛烈に心臓の鼓動が早くなってる
実は、結婚式の最初のバージンロード
本来は父親と歩くのが一般なんだけど
あなたと美里のご両親は亡くなってるから
どうしようか、という話になった時
そう言ってあなたはニコッと笑った
そうしていつの間にか本番が来ていて
クスクスっと扉の前で笑うあなたを見て
意外と強いなぁ、なんて思ってしまう
ちょっとキザな事を言うとあなたは
瞳を丸めて、それから目尻を下げた
あなたの細くて綺麗な手が俺の手に乗る
入場の音楽が教会内から微かに聞こえる
スタッフの人が扉の取っ手に手をかけた瞬間
俺は言い忘れていたことを思い出した
あなたが顔を赤らめてこちらを見る
あなたは俺から視線を外して前を見た
真っ白なタキシードを着たるぅとくんとの
これからの未来に向かって踏み出した
今日の俺は脇役だ
主人公を素敵なハッピーエンドに導く
素敵な、素敵な脇役なのだ