第69話
番外編11
結婚式の帰り、美里が声を掛けてきたので
2人で帰ることになった
電車に揺られながら今日のことを話す
自慢げに笑う美里を見て、やっぱり
あなたは凄いと思った
今はそう思ってる
前はそれだけじゃない感情も持っていたんだけど
心臓が跳ねるような感覚がして
ぱっと隣に座ってる美里に顔を向けた
美里は過ぎていく窓の景色を見ていた
俺よりも歳下のはずの彼女が、何だか
凄く凄く大人っぽく見えた
最年少の美里はいつも元気いっぱいで
天真爛漫で俺たちに比べたら
妹っぽいところがある
でも人の感情や気持ちを読み取るのが
異常な程上手で、もしかしたら美里は
俺たちの中で一番大人なのかもしれない
俺の方を見もせずに聞く
思わず笑いながら答える
そういえば、俺があなたを好きだと
誰にも言った事がなかった
またまた図星を突かれる
少し怖いくらいだ
はは、と軽快に笑った美里は
そう言ってようやく俺の方を見た
自分で納得するようにうんうんと
うなづいている美里を見てクスッと笑う
誰かと共に人生を歩んでいく
それって素敵な事だなって今日改めて思った
突拍子もなく聞いた彼女に俺は
間の抜けた声を出してしまった