第45話
第39話
美里がちぇぷりに入って1年が経った現在
私はまだあの日の約束を守れずにいる
私はスマホに表示された落選の
字を見てため息をついた
私は久しぶりの休日で外に出ている
ウィンドウショッピングを楽しんでいる時
一軒の店を見るなり私は店内に思わず入った
その店は…
莉犬くんと初めて会って話した、あの店だった
あの日と同じ、外がよく見える窓側の席で
私は懐かしさで少し笑みが浮かんできた
そんな時
後ろから、昔ずっと聞いていた声が聞こえて
一度自分の耳を疑ったけど
でもそれは確信に変わって迷わず後ろを振り返った
莉犬くんは私の前まで来て
確かめるように私の頬に手を当てた
それから、私は莉犬くんと会えなかった
7年分を、沢山沢山話した
あっという間に夜になってしまい──
今は見上げなければ莉犬くんの目を
見れない事が凄く新鮮だった
えっへん!と莉犬くんは自分の腰に
手を当てて私を自慢げに見下ろす
あはは、と昔から変わらない
笑顔を莉犬くんは浮かべた
苦笑いのまま莉犬くんに言った
そう言うと莉犬くんはカバンから
1枚の紙を私の手に握らせた
今、なんて…
昔はまだしも、今も好きだと分かってたなんて…
恥ずかしさのあまり顔が熱くなってくる
いつだって、この人は私を
勇気づけてくれて、元気にしてくれて…
彼に、精一杯の感謝を伝えた
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俺は、あなたと別れてから夜の街を歩いた
思い返すと、あなたの顔が次々と出てくる
笑った顔、泣きそうな顔、困った顔、
心配そうに見つめる顔…
最初は妹みたいで、目が離せない存在で
でも、それがいつの間にか変わってた
俺が幸せにしたいって思ってた、
あなたがいなくなる日まで
だけど大切なものが無くなった時に気付いた
あなたが幸せならなんだっていい
あなたが幸せなら、それが俺じゃなくてもいい
綺麗な星空を見上げると涙が溢れてきて
視界がぼやけてしまう
あなたと、色んな事したなぁ
生放送、一緒にゲームしたり
イベントで歌って、踊って
よくご飯も一緒に食べて、勉強教わって──
どんな時でも俺には、あなたが1番だった
でも、今日は気持ちに区切りをつけられてよかった
これで、終わりにしよう
次に会える時に、心から君の幸せを願えるように
涙とともに、心からの声が零れた