第35話
第30話
夏も終わり秋が始まってきた
そんな私に、新しい感情が芽生え始めた
恋ってこんな感じなんだなぁ
いつの間にかるぅとくんの事
好きになってた
自然と目で追いかけたり
るぅとくんが笑ってるだけで嬉しくなって
るぅとくんが落ち込んでると悲しくなって
気持ちを共有してるみたいな感覚
それにね、
ドキドキしてどうしようもない時や
心がチクチクして苦しい時もある
それが何だか自分にとって素敵なもの、と
思えるようになった
そんな日々が続く中で
久々に“Hide Away”に行ってみた
忙しすぎる感情が
あそこなら少し落ち着くかもしれないし
いつもの様に朱蘭さんが迎えてくれた
目を細めて朱蘭さんが笑った
実はもう1つ、ここに来た理由がある
いつも冷静な朱蘭さんが同様で
コーヒーカップを落としてしまった
朱蘭さんはニヤニヤしながら
耳を傾ける
朱蘭さんなら頼りがいがあるし
絶対に秘密にしてくれるだろうし
朱蘭さんの耳元でコソコソと言う
改めて言うと何だか恥ずかしくなった
今まで私に向けてくれたるぅとくんの
笑顔を思い出して自然と笑顔になる
朱蘭さんは瞳を閉じて
ブーブーっと私の携帯がなって
確認すると母親からだった
朱蘭さんにぺこりと頭を下げてから
お店を後にした
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あんなに瞳を輝かせているという事は
相当好きなのだろう
洗ったティーカップを拭きながら苦笑する
棚に食器をしまってフッと息を吐く
誰かが幸せになったら
誰かが悲しんでしまう
そんな結末、見たくないの
出来れば、あなたちゃんも、
るぅとくんも、莉犬くんも
皆、幸せになる結末を望みたいものなの