第61話
番外編5
今日は俺たちの最大の舞台が幕を開ける
やっぱり1番早く来てたるぅとくんの
楽屋に行って挨拶をする
髪の毛のセットをしているるぅとくんは
鏡越しにこちらを見て微笑んだ
かっけえよなぁ…
そうして他愛もない話をして楽屋を出て
次に美里の楽屋に向かった
根は凄く真面目な美里は待ち合わせをしても
必ずるぅとくんの次に早く来る
絶対時間を守るとこも似てるなぁ
がちゃりと扉を開くと、美里の姿はなくて
部屋を見渡すとこちらから背を向けてるソファから
ちょこんと頭が見えた
俺はソファに静かに近づいて…
わざと大きな声を出した
美里が驚く顔を想像して笑いながら
でもその笑みもすぐに消えた
ヘッドホンをして涙を流しながら
みりぃは寝そべっていた
えへへ、と涙をさっと拭ってみりぃは笑った
あぁ似てるな、なんて能天気に思ってしまった
あなたも美里も嘘をつくのが下手なんだ
でも、他人の為だったり自分を隠す嘘は
誰にも負けないくらい上手いんだ
だから、だから、今は
気付いてあげなきゃ
見つけてあげなきゃ
本当のこの子を