第136話

135.
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2024/02/21 12:00
最高の誕生日にしてやれたら、って思ってた。
















辰哉「あれ?今日は味噌汁の匂いしない」



大介「毎日するわけないだろ」
















俺の唯一の助け舟だったはずの、他のメンバーは雑誌の撮影だとかで部屋を抜けていて



ゲームしてればほっといてくれるだろ、って思ったのが甘かった。



ずっとゲームをしていたオジサンがクンクンと匂いを嗅ぐ。










お前は犬か。















辰哉「さやちゃんと喧嘩したな、さては」



大介「だからその呼び方やめろ」



辰哉「あ、怒ってる!さやちゃんさやちゃん!」



大介「やめろっつってんだろ」















自分でも驚くぐらい、地を這うような声。



オジサンは隣にチョコンと座り込んで、何を思ったのかぽんぽんと頭を撫でてきた。



…いやいや、スタッフとか入ってきたらどうすんのよ。確実に怪しい二人になっちゃうでしょ。











…って思うのに。
















辰哉「頑張った頑張った」



大介「…うるせぇ」



辰哉「あの人、帰ってきたんでしょ。俺にも連絡きた」



大介「…昨日知った」



辰哉「まさか佐久間んとこ来たの?」



大介「ご丁寧に家の前まで」










頭を撫でる感覚が、あなたにちょっと似てて手を振り払えない。

















辰哉「…あなたちゃん、まさかそこに?」



大介「最悪よ」



辰哉「佐久間が悪いね」



大介「……」



辰哉「引っ越せばよかったんだよ。あの子に知られてる家なんだから。本当に会いたくないんだったら」











辰哉「それでも引っ越さなかったのは、まだ期待してたからでしょ?ーーー…あの子に」

















ま、引っ越してたらさやちゃんにも会えてないか~。











…なんて呑気に欠伸をしたオジサンはスマホをいじり出す。



だからさやちゃんって呼ぶなっつってんのに。


















大介「…あなたを利用してた」



辰哉「だろうね」












サラッと言ってのける姿に若干イラつく。











辰哉「味噌汁ちゃんに説明は?」



大介「今夜する」
















そう言った時にオジサンがスタッフに呼ばれて、「頑張れ」とポンと肩を叩いて来た。



俺はそっと自分のスマホの画面を撫でて
















「さやちゃん」の連絡先を消した。

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