第142話

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2024/02/27 12:00
助けることができなかった。
















あんなに俺に助けを求めてきてくれたのに。



俺を必要としてくれたのに。














散々悩んで、散々苦しんで、散々後悔して



でも留めた思いとは裏腹に、時間は止まらず



仕事をがむしゃらに頑張って、あっという間に月日は経って行った。









もう、会いたくない。会えない。もちろん俺のことはメンバーも知っていて



真優のことも何回か話してたから、なんとなくだけど触れずにはいてくれた。












後悔。



でも幸せにいてくれたらと思う。俺のことなど、どうか忘れて幸せにいてくれたらと。












濁り。



エレベーターのボタンを押した時。















ーーーー…泣くのを我慢してる、あなたを見つけた。











目を見開いて、数年前とまるで同じシチュエーションに息を呑んだ。



でも同じエレベーターに乗っても、あなたは俺に気づくことはなく、ただひたすら唇を噛み締めて先にエレベーターを降りて行った。










あのあと、彼女は部屋で泣いたのだろうか。



あの頃の、真優のように。











胸騒ぎ。



ありとあらゆる芸能人パワーを使った。これが世に言う職権乱用かと言うほどに。











普通の会社員が俺の下のフロアに住める金を持ってるわけがない。



頭をフル回転させて考えた。…結果、出たのは



部屋を提供してくれるパトロンがいる。というものだった。









でもそんなこと言っても金持ちの暇を持て余してる男は世の中に腐るほどいる。



あの子のパトロンが誰かなんて特定できるわけがない。



…って、思ってた。













羽柴『佐久間さん、今度スマホゲームで対決しましょうよ』



大介『えー?お前弱いじゃん』











羽柴と車ん中でペチャクチャ喋ってた時。ふと、なんとなく。なんとなく車の外を見た時。



街中を仲よさげに歩いてる、あなたと誠がいて。



「あの男」って呟けばたまたまそれを聞き逃さなかった羽柴がそれを見て「あぁ」って呟く。











羽柴『あの人、有名な会社の社長令嬢の旦那ですよ』



大介『はっ?』



羽柴『逆玉の輿ってやつですよ。次期社長になるとかイケメンだとか雑誌に載ってます、最近』














見つけた。

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