第144話

143.
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2024/02/29 12:00
最低だ。

















大介「真優と全く同じ境遇のあなたを助けようとした。でもそれはあなたを助けたいからじゃない」











最低だ。












大介「自分自身の罪滅ぼしのために。あの頃、できなかったことをして、首を絞めてる過去から離れたかった」











わたし……、最低だ。













大介「自分の罪悪感を拭うために、あなたを利用してた。あなたを助けれたら、楽になれるからって」











もっと酷い過去だったらよかった、って思ってる。もっと真優さんが酷い女だったり



もっとダイが酷いことを考えていたらよかった、って思ってる。











大介「…でも、あなたは俺が思ってる以上に強かった。俺に縋るんじゃなくて、俺と一緒に戦おうとした」











だってそうだったら、もっとスッキリした気持ちで何の迷いもなく泣いてダイを責めて



バイバイしないって、泣きつけた。












大介「どんどん罪悪感もおっきくなって。でもそれ以上に一緒にいるのがすっげえ心地よくて。」










でもこんな理由だったのなら













大介「さやちゃんって呼んだら、すっごい可愛い笑顔で俺の名前を呼んでくれるから」



大介「泣きながら、どんどん強くなるから」



大介「ぎゃあぎゃあじゃれ合うのが、楽しかったから」



大介「あなたが好きだって言ってくれたから」




大介「あなたの隣が、居心地が良すぎたから」












嫌だ、って言えない。















いつだってダイは用意周到だった。



誠くんが記事で脅してきた時も、何にも動じることなく先手を打った。



それはーーー…、昔同じようなことを経験していたから。












大介「手離したくねぇなぁ…って思った」











だったら手離さなくていい。




でも、そういう問題じゃない。














大介「でも、これはきっと恋じゃない」



「…」



大介「このまま利用して、嘘をつくのはダメだって思ったから。あなたの誕生日を祝ってからバイバイしようって決めた」
















ふんわり微笑む。



その笑顔が好きだった。



でも、嫌いになりそう。
















大介「俺のワガママ。ごめん」
















涙の玉は、私の心を切り裂く。

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