第139話

138.
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2024/02/24 12:00
もうすぐでハンバーグが出来上がる。という頃。
















大介「ただいまー」











ガチャ。と扉が開く音がして



いつもと何一つ変わらないダイが、芸能人仕様のダイが疲れたとヘラヘラ笑いながら部屋に入ってくる。



いつもと変わらないから、私も変わらない。












「おかえり。お疲れ様」



大介「お!チーズインハンバーグじゃん!」



「もう出来上がるよ」



大介「今日頑張ってよかったー」










くふくふって笑って冷蔵庫から缶ビールを取り出すのも、いつもの。



グラスを二人分持って行って、ソファにぼすん!と座り込んで私の分もビールを注いでくれるのも、いつもの。



もう出来上がったハンバーグをお皿に盛って、ふた皿分テーブルに持って行って、ダイの隣に座るのも、いつもの。











でも。
















大介「あなたを初めて見た時さ」












ダイの唇から紡がれる物語が、いつもと違う。













大介「似てるなって思った」












目を細めて、ふっと笑う。













大介「真優と」













ふわりと目と目が合う。



ーーー…あぁ、ダメだ。

















大介「最初。俺があなたに近づいたのは麻里と別れたいからって、共謀するためだって言ったけど嘘」



「……」



大介「麻里は後付け」



「……え?」



大介「俺は真優にどことなく似てるあなたに近づこうとした」










私は多分、泣く。















大介「初めてあなたを見たのは結構前。二年前ぐらい」















ーーー…二年前。



かなり前だという時間に少しだけ喉が鳴る。そして二年前という単語に心当たりがあった。









二年前。














大介「いつも通り羽柴に送ってもらって、マンションのエレベーターに乗り込もうとした時」



「…」












大介「エントランスから、絶対泣くのを我慢してんだろって顔をしてるあなたと鉢合わせした」











私が、誠くんに「結婚してるんだ」と告げられた月日だ。
















大介「俺と真優が出会ったのも、マンションのエレベーターだった」















シチュエーションの合致。












ダイは珍しくカーテンを引いていなくて



窓に東京の夜景が綺麗すぎるほど映っていた。

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