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第1話

No.619
7,850
2021/08/16 12:09
あなた
お姉ちゃん、お風呂入ってくるね
冬美
わかったよ。ゆっくりね







晩御飯を食べ終えて一服したあと、私は着替えをもって風呂場に向かう。





家でお風呂入るの、久しぶりだな。





今日はお姉ちゃんの言葉に甘えて、ゆっくり浸かろう。





そう思いながら衣類を脱ぎ、バスタオルを身体に巻く。





が、その時だった。







轟焦凍
入るぞ
あなた
は、っ!?







そんな声とともに、弟が入ってきたのだ。





驚きのあまりかたまる私をよそに、弟はタオルを身につけた私の身体をまじまじと見つめてくる。







あなた
な、なんで入ってきてんのよ!
轟焦凍
あなたはもう入ってていいぞ
あなた
いや話聞けよ







弟は私の質問には答えず、なぜか私の目の前で服を脱ぎ始めた。





え、え...?







あなた
な、なんで脱いでるの...?
轟焦凍
?なに言ってんだ。一緒に入るからに決まってるだろ?
あなた
いや決まってないし







なんで一緒にお風呂入らなきゃいけないんだよ。





そう言うと、弟は上裸のまま、私を見つめた。







轟焦凍
ダメか...?
あなた
う...
轟焦凍
なあ、いいだろ?おねがい、あなた
あなた
...〜ッ







甘える子供のようにおねだりしてくる弟を見て、私の脳内では『可愛い』の言葉がぐるぐる回り出す。





その結果、なにも言えなくなってしまった。







あなた
っ、わ、わかったよ...
轟焦凍
!ほんとか...!
あなた
いい、って言ってるじゃん







弟は私の言葉を聞いた瞬間、ぱあっ、と顔を輝かせる。





あぁ、ダメだ、また弟の思うツボだ...。





でもわかっていながらこうやって承諾しちゃうのも、私の悪いところだ。





てかこいつ、最近どんどんあざとくなっていってる気がする。





さては学習したな、私がどうしたら許可してくれるのか。





と、弟が突然、じっ、と私を見つめてきた。







轟焦凍
...
あなた
...なに?
轟焦凍
タオル、外さねぇのか?
あなた
外すわけないでしょ
轟焦凍
なんでだ?別に良くねぇか?俺たちセックスしたんだし
あなた
せっ、!?と、とにかくタオルは外さないからね!焦凍も早く前にタオル巻いて!
轟焦凍







べちっ、とバスタオルを投げつけると、弟の顔面に見事ヒット。





急になんてこと言い出すんだ、あいつは。





いや、確かに間違ってはないけど、事実なんだけど。





今はお風呂入るだけなんだから、違うでしょーが。





羞恥で顔を真っ赤にして、私は弟よりひと足先にお風呂に入った。

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