第157話

No.157
14,852
2020/10/14 10:50
轟焦凍
子猫用っつっても、種類がありすぎてよくわかんねぇな
あなた
まあ、猫にだって好みとかはあるだろうからね








スーパーに着き、私と弟はペット用品売り場へと足を向ける。





動物を飼うってこと自体初めてだから、ちょっと不安。





だけど、飼うって決めたんだから最後までしっかりしないとね。







あなた
とりあえず子猫用のミルクと...エサは、これにしよっかな
轟焦凍
普通のキャットフードじゃなくていいのか?
あなた
うん。子猫って、あんまり固いものだと食べられないと思ってさ。最初からふやかしてあるものだったら、食べられるかなって








いつか忘れたけど、本で読んだことがあるんだよね。





なんで猫についての本読んでたのか知らないけど。







轟焦凍
なああなた。こんなのもあるぞ








弟の声に、私は振り向く。





弟が見ていたのは、猫用の首輪だった。





いろんな種類があって、意外と可愛い。







轟焦凍
飼い猫だったら、首輪とか付けた方がいいんじゃねえのか?
あなた
うーん...。確かにそうね。せっかくだし、買っていこっか
轟焦凍
だな








とは言ったものの、どれがいいんだろ。





サイズとかあるのかな、これ。







轟焦凍
子猫用だったら、こっちの方がいいんじゃねえか?
あなた
へぇ、子猫用のあるんだ








弟が差し出してきたひとつの首輪を手に取り、私は呟く。





意外と売ってるもんなんだね。





結局、買ったものはミルクとエサ、それからピンクの首輪。





これだけあれば、とりあえずは足りるでしょ。







轟焦凍
荷物貸してくれ、持つから








レジで会計を済ませたあと、弟がそう言って荷物を持つ。





こういうとこは気遣いできるよね、こいつ。







轟焦凍
結構暗くなってんな
あなた
そうだね








外に出ると、既に夕日は沈んでいて。





夜が始まろうとしていた。





雨はまだ、止まない。







轟焦凍
だから言ったろ?暗くなるから危ねぇ、って
あなた
どーも








ドヤ顔すな。





荷物を持っているから傘は私がさそう。





そう思って広げようとすると、またしても弟に阻まれた。





片手に傘と荷物を同時に持ち、私の方に傘を寄せて歩く。





...肩、濡れちゃってるじゃん。







あなた
私はいいから、あんたもう少し入りなよ
轟焦凍
大丈夫だ。問題ねぇ
あなた
風邪引かれたら困るの
轟焦凍
俺は風邪なんて引かねえ
あなた
フラグ立てんな








傘を押して、押し返しての繰り返し。





変なとこで頑固にならないでくれ。

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