特別参加者?
誰だろ。
そう思っていると、コツコツと足音が聞こえてくる。
歩いてきた人物を見て、何人かが声を上げた。
そういえば、体育祭で緑谷くんと戦ってたよね。
そっかぁ、ヒーロー科編入希望なんだね。
...てか、あれ相澤先生の捕縛布?
なんかマスクもしてるし、なにに使うんだろ。
心操くんの個性は洗脳。
彼の問いかけに答えたりすると、洗脳されちゃうんだ。
緑谷くんは体育祭の時、洗脳されて勝負に負ける寸前までいったんだよね。
あの時は正直びっくりしたな。
相澤先生の言葉を聞いて、心操くんは少し間をあけて話し出した。
ふと、心操くんがこちらを見る。
一瞬だけ目が合ってドキリとしたが、すぐにそらされる。
心操くんの挨拶が終わると、全員が拍手をする。
...なんか、昔の自分を見てるみたい。
馴れ合うつもりはないとか、言ってたし...。
瀬呂くん、それ今の私にとっては黒歴史に近いからやめてくれ。
ブラド先生は、私たちを見回して説明を始める。
そこまで聞いていて、疑問点が生まれた。
心操くんはどっちのチームに参加するんだろ。
てか、B組は20人だけど、私たちA組の人数は21人。
5対4になる時が絶対にある、ってことだよね。
そうなったら、不利じゃない?
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。