言ってくんなきゃわかんないじゃん。
せめてなんか言うか離れるか、どっちかしてよ。
この会話ずっと繰り返すつもり?
勘弁してほしいんだけど。
座布団の上に座り、弟にそう声をかける。
いつまでこのままいるんだよ。
弟はコクリと頷く。
イチャイチャとはちょっと違うような気がするんだけど...。
ゲームだったし?
仕方ないよね?
肩にぐりぐりと頭を押し付けてくる弟。
おお、丁度マッサージ機みたいになってる。
私らカレカノとかじゃないんだから。
双子の姉弟なんだから。
めちゃくちゃどうでもいいじゃんか。
弟は背後から顔を寄せ、耳元で呟く。
ぴくりと勝手に体が反応する。
なに言ってんだこいつ、なに言ってんだこいつ!!
恥ずかしいセリフを堂々と言いやがって!!
でた、天然。
こいつの思考回路の中、1回でいいから探ってみたい。
誰かどうにかしてくれこのシスコン。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。