第290話

No.290
10,624
2020/12/27 02:56
峰田実
どういうことだよ轟!!
上鳴電気
詳しく聞かせろー!
轟焦凍
お、おぉ...








詰め寄ってきた上鳴くんと峰田くんに連行されていく弟。





え、待って行かないでよちょっと。





私だけ置いていかれたら女子たちが...。







芦戸三奈
あなた〜?
あなた







やばい。





思わず逃げようと立ち上がるが、まだ熱があるせいで一瞬視界が眩む。





なんとか倒れそうになるのを堪えるが、それのせいで逃げ損なってしまった。







芦戸三奈
こら、逃げるな〜!
葉隠透
詳しく聞かせて!
耳郎響香
そーゆーのはゲロっちまった方がすっきりするよ
あなた
響香ちゃんもうちょい言葉選んでほしかったよ








三奈ちゃんと透ちゃんに両脇を挟まれ、響香ちゃんに背中を押されて連行される。





終わったな、これ。







八百万百
皆さん、あなたさんはまだ風邪が完治していませんのよ。無理に引っ張っていくのはよくありませんわ
蛙吹梅雨
そうよみんな。ちゃんと休ませてあげないと治るものも治らないわ








女神がおる...!





思わず二人に拝みそうになる私。





そうそう、まだ熱あるから私は部屋に戻って...。







芦戸三奈
え〜!ちょっと話聞くだけだからさ、ね!?
葉隠透
それに梅雨ちゃんたちだって、興味がないわけじゃないでしょ?だったら聞こうよ〜!








透ちゃんの言葉に、二人は考え込むような表情になる。







蛙吹梅雨
まあ確かに興味がないわけじゃないけれど...
八百万百
あなたさんの体調が一番心配ですわ。まだ熱はあるのでしょう?
あなた
まあ、一応あるっちゃあるよ








部屋戻らせてくれ。





そしてなんとかして誤魔化す策を練らなきゃ。







芦戸三奈
うーん。じゃあひとつだけ!
あなた
まあ、うん。ひとつなら...
葉隠透
やった!








あんまり詰め寄られるのは勘弁だよ。





ひとつだけなら、まあなんとかなるかな。







芦戸三奈
轟とキスした、って本当!?








一番聞かれたくないこと聞いてきたなおい。





これ、正直に答えるしかないんかな。







葉隠透
で、どうなの!?
耳郎響香
まじでやったの!?
あなた
えっと、







肯定したくないけど、かといって嘘もつきたくないんだよね。





さてどうしよう。







轟焦凍
葉隠、耳郎、芦戸、麗日







まごついていると、すぐ近くで弟の声が聞こえた。





振り返ると同時に、弟は私の頭に手を乗せた。

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