第62話

No.62
20,504
2020/09/18 09:56
しばらくみんなで話していると、B組の生徒たちがこちらに向かってくる。







物間寧人
え!?なになにA組補習いるの?つまり期末で赤点取った人がいるってこと!?








そう煽るような発言をしてきたのは、B組の生徒の一人、物間寧人。





ま、性格はわかっているから、特に気にとめない。







物間寧人
え!?おかしくないおかしくない!??A組はB組よりずっと優秀なはずなのにぃ!?あぁれれれれれれれれれぇ!!??








ムカつくというより、ただただうるさい。





と、そんな物間くんの頭をベシッ、と叩いた者が一人。







拳藤一佳
ゴメンな!








物間くんの首根っこを掴んでそう言ったのは、拳藤一佳。





B組の生徒であり、私の友達でもある。





頼りになるんだよね。







拳藤一佳
バス乗るよ〜!








物間くんの首根っこを掴んだまま、一佳ちゃんはそう言ってバスに乗り込む。





なんか、物間くんの保護者みたい。







峰田実
A組だけじゃなくB組の女子まで...!よりどりみどりかよぉ!!
切島鋭児郎
お前ダメだぞ。そろそろ








B組の女子に視線を向けてヨダレを垂らしている峰田くんに、切島くんが真顔で突っ込んだ。





B組の女子まで、峰田くんの被害に合わなきゃいいけど。







あなた
峰田くん。女子に手出したら燃やすよ
峰田実
姫に燃やされるなら、オイラは本望だな








ダメだ、話が通じない。





思わずため息をつくと、背後からぬっ、と弟が現れる。







轟焦凍
峰田。あなたに手ぇ出したら、わかってんだろうな
峰田実
はい...、








右手に冷気をまとい、左手に炎をチラつかせる弟。





それを見た峰田くんは、萎んだ風船のように一気に大人しくなった。







飯田天哉
A組のバスはこっちだ!席順に並びたまえ!








癖のある動作をしながら、飯田くんが私たちに言う。





あれ、私の隣って誰だっけ。





忘れた。










***










あなた
...








ワイワイガヤガヤと騒がしい、バスの中。





男子は男子同士、女子は女子同士で、楽しそうにおしゃべりしている。





なのになんでだ。





どうしてこうなった。







爆豪勝己
...んだよ、さっきからジロジロと
あなた
別に。なんでもない








不機嫌そうに舌打ちをしたのは、爆豪くん。





なにを隠そう、彼は私の隣の席なのだ。





つまり、まあ、うん。





誰か助けてくれ。

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