第171話

No.171
16,149
2020/10/20 10:55
轟焦凍
お前の唇、思った通り柔けぇな
あなた
ばっ、な、なに言って...んっ








私が言い終わる前に、二度目のキスをされる。





熱い。





顔も、体も。





これがしばらく続くと思うと、恥ずかしすぎて耐えられない。





思わず弟の制服を握ると、弟は唇を離して私を見つめる。







轟焦凍
悪ぃ、
あなた
いや、大丈夫...








まともに見つめ返す勇気がなくて、私は弟から顔をそらした。







轟焦凍
お前、
あなた
轟焦凍
そんな顔、するんだな
あなた
はい?








なにを言っているのでしょうか。





いつも通りでしょ、顔なんて。







轟焦凍
顔真っ赤だぞ
あなた
!あ、あんたのせいだよ...








指摘されたせいか、余計に熱が集まっていくのがわかった。





弟はそんな私を見て、ふっ、と微笑む。







轟焦凍
可愛いな
あなた
ばっ、バカ!!
轟焦凍
そんな顔で言われても、説得力ねぇぞ
あなた
あんたのせいよ!








ぶわっ、と真っ赤になる私を見て、弟はその反応を楽しむかのように笑う。





こいつ、自分が原因だって自覚あるのか?







轟焦凍
その表情、俺以外の誰にも見せたくねぇな。緑谷にも、爆豪にも
あなた
〜〜っ!!








なんだよなんだよなんだよ!!





さっきから恥ずかしいことばっか言って!!





このド天然野郎。







あなた
そ、そんなことばっか言って、恥ずかしくないわけ?
轟焦凍
なんでだ?
あなた
か、可愛いとか。その...
轟焦凍
別に思ってねえぞ。だってホントのことだろ?
あなた
そーゆーのだよっ!!








だめだこりゃ。







轟焦凍
安心しろ。俺はあなたにしか言わねえから
あなた
そういうことじゃな...んっ!








さっきと同様、言葉を遮られる。





噛み付くような勢いで、弟は私の唇に自分の唇を合わせてくる。





何回も、何回も...。







あなた
!?








それに耐え続けていると突然、弟が私の唇をぺろ、と舐めた。





急なことに驚いて体が反応し、肩が跳ね上がる。





引き結んでいた唇の力が緩んだ。







轟焦凍
ん、
あなた
ん!?んんっ...!








それを見た弟は、もう一度唇を合わせてくる。





それだけなら、まだよかった。





が、今度は唇を割って、舌を入れてくる。





キス魔、って、こういうものなわけ?







あなた
んんっ!ちょ...まっ








息が続かない。





自分にとって初めての感触に、混乱する。





私はなんとか逃れようと、弟の胸元をどんどんと叩いた。

プリ小説オーディオドラマ