第462話

No.459
7,323
2021/04/18 09:07
芦戸三奈
そーいえばさ、爆豪ってみんなのことなんて呼んでるんだろーね







昼休みの時間になって、三奈ちゃんがそう言い出した。







耳郎響香
確かに。気になるところではあるけど
芦戸三奈
この際だから確かめてみよーよ!
あなた
え、本気?
芦戸三奈
本気本気!







すんごい唐突だけど、いいのかな。





というか、爆豪くんはどんな反応するのやら。





キレないといいけど。







芦戸三奈
あ、ちょうどいいところに!







話がまとまった直後、爆豪くんが教室に入ってきた。





自分の席に腰掛けたのを見て、私たちは爆豪くんの方へと向かう。







芦戸三奈
ねね!爆豪ってみんなのことなんて呼んでるの!?
爆豪勝己
あ?
芦戸三奈
緑谷だったらデクでしょ?轟だったら半分野郎とか呼んでるじゃん?私たちだったらなんだろなー、って!







ド直球だな、三奈ちゃん...。





内心少しヒヤヒヤしながら見守っていると、爆豪くんが口を開いた。







爆豪勝己
黒目
芦戸三奈
体育祭の時と変わってない!







私は安堵の息をついた。





よかった、怒ってはいないみたい。







芦戸三奈
じゃあ麗日は?
爆豪勝己
丸顔
麗日お茶子
ま、丸顔...







女子に対しても容赦ないあだ名つけるな、爆豪くん。







芦戸三奈
耳郎は?
爆豪勝己
耳女
芦戸三奈
じゃあヤオモモ!
爆豪勝己
ポニーテール







ひとりも名前で呼んでない...。





というか、見たまんまのあだ名つけるんだね、爆豪くんって。







芦戸三奈
じゃああなたは!?あなたのことはなんて呼んでるの!?
爆豪勝己
...







なんで黙るのさ。





爆豪くんは突然黙り込むと、ちらりと私の方に目を向けてくる。





え、なに。





意図がわからず、私は思わず首をかしげる。





爆豪くんはしばらく私を見つめていたが、やがて目をそらす。





それからぼそりと呟いた。







爆豪勝己
...あなた
芦戸三奈
え!あなた!?名前で呼んでるの!?
爆豪勝己
んだよ、文句あるか
芦戸三奈
ないない!!







女子たちがキャーキャー騒ぎ出す。





その横で、私は呆然としていた。





だって、私のこと舐めプだの鈍感だのいろいろ言ってたのにさ。





いきなり名前、って...。





いやあながち間違ってはないけども。





普通に『舐めプ女』って言うのかと思ってた。







麗日お茶子
爆豪くんがちゃんと名前呼ぶの、って、もしかしたらあなたちゃんだけなんちゃう?
耳郎響香
絶対そうでしょ。てか、爆豪とあなたって、付き合ってたりする?
あなた
つ、付き合ってないよ
爆豪勝己
別にンな関係じゃねえよ
芦戸三奈
えー!残念!







なんか勝手に盛り上がってるけど...。





爆豪くん、なんで私だけ名前で呼んだんだろ。

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