タオル片手に爆弾発言する弟を、慌てて止める。
いや、服脱いでくれじゃないよ。
女子相手になに言ってんだよ。
弟は意味がわからないままなのか、目をぱちくり。
絶対わかってないだろこの天然。
"双子"だから尚更問題ありだよ。
恋人ならまだしも、私たちは双子なんだからね。
こんなところで頑固モードに突入しないでくれよ。
だけど、女子たちを部屋に呼んで拭いてもらう、ってわけにもいかないんだよなぁ。
うつしたら悪いもん。
あんた私のことどんな目で見てるんだよ。
なんか卑猥なこと、想像してたりとかしないよね?
急に始まったカウントダウンに、私は戸惑う。
てか、私に拒否権ないのかよ。
この野郎...。
私は迷って迷って、さんざん迷った挙句の果てに、選択する。
服脱いでくれ、と悪びれもなく言う弟を、私はジト目で見つめた。
弟が後ろを向いたのを確認して、私は渋々服を脱ぎ始める。
話しながらこちらに振り向いた弟。
私は慌てて服で体を隠し、見られないようにする。
対して弟は、悪ぃのひと言。
こいつ、ほんとに悪いと思ってる時と思ってない時で、このひと言の重みが変わってくるんだけどね。
今は絶対、悪いと思ってないひと言だったよ。
こいつの将来、ほんとに不安になってくるよ。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。