弟に言われた一言に、思わず言い返す。
戦闘相手は緑谷くん、切島くん、上鳴くんの三人。
相手がいいのか悪いのか...。
何故かわからないけど、私はクラスの男子たちの中で"姫"と呼ばれる。
特定の男子たちだけだけど。
正直、恥ずかしいからやめて欲しい。
急に炎を出し始めた弟に、私はストップをかける。
落ち着けとか言ってたくせに、自分が落ち着いてないじゃん。
まずあんたが落ち着け。
待て待て、作戦はどこにいったんだ。
落ち着けだの、作戦練るだの言ってたくせにこうなるのかよ。
てかなんでいきなり攻撃的になったのさ。
いったいなにが気に食わないのかわからないけど、まあいいか。
それより今は、授業に集中だ。
出た、爆豪くんの暴言。
戦闘になるといつもこうなるのが、彼の特徴?悪いところ?
まあ、普段から暴言を吐きまくってる彼にとっては、なんの意味もないのだろうけど。
ドーン、と派手な爆発音をたてて、爆豪くんは個性でその場を爆発させる。
さて、どうなったかな。
まだまだ余裕そうな表情を見せる切島くんに、爆豪くんは盛大に舌打ちをする。
上鳴くんがそう言って、私と弟に向かってくる。
上鳴くんの電気くらうのって、意外とやばいんだよね。
私はあまり好きじゃない。
弟は氷結を、私は炎を出して、上鳴くんに攻撃する。
彼の動きを止めたところで、ふと気がつく。
緑谷くんはどこに?
そう思った瞬間、
拳を構えた緑谷くんが、頭上から飛び降りてくる。
しまった。
完全に上鳴くんに気を取られていた。
上鳴くんはおとりで、本当は緑谷くんが私たちに仕掛けてきていたんだ。
突然のことに思わず動けずにいると、
爆豪くんが飛び出してきて、緑谷くんの攻撃を防いでくれる。
暴言は相変わらずだけれど、助けてくれたんだとわかった。
ちらりとこちらを見たあとにそう吐き捨て、戦闘体制をとる。
それを見て、今度は油断しないようにと、私も再び身構えた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。