現在、子猫の名前決め大会(?)の真っ最中。
まともな案が出てくるといいなとは言ったけれど。
もうだめだこりゃ。
口を開けば出てくる出てくる訳のわからん名前。
エリザベス、って女王じゃねえかよ。
ベートーヴェンもモーツァルトも人だよ、音楽家だよ、猫じゃないよ。
子猫になんて名前つけようとしとんだ。
どうやら女子はまともなご様子。
うーん。
難しいなあ。
なんて名前をつけんだ、猫に。
さすがにだめでしょ。
ぼそりと呟くと、それを聞き逃さないとでもいうようにみんなが群がってくる。
あんまり飾らない方が好きなんだよね。
ずいっ、と詰め寄られ、私は少したじろぎながら答えた。
そこには触れないで爆豪くん。
でも、見た目から"ユキ"って名前でもよかったんだけど。
そのまんますぎる、っていうか、なんというか。
女子軍が一斉に、賛成の声を上げる。
林間合宿から少しは心開いてくれたかと思ったんだけどなあ。
勘違いだったかな。
爆豪くんの一言に、しん、と周りが静まり返った。
どした?
恋愛に関してはめちゃくちゃ敏感だからね、女子は。
んで、さっきからものすごい視線を感じるんだけど、気のせいかな。
そう思いながら、恐る恐る目を向ける。
そこには、殺意剥き出しの弟の姿。
怖っ!
なんでそんなに怒ってんの。
ま、あとで聞けばいいか。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。