共有スペースにて。
私は誤解を解くために、お茶子ちゃんに先程のことを話していた。
まあ、なんとかわかってくれたみたいでよかったけど。
意味ありげに言いながら、お茶子ちゃんは私を見つめる。
禁断の恋、とは。
どゆことぞ。
生憎恋愛に関しては疎いからね、私。
弟が恋する乙女...。
いや、想像するのは辞めよう。
まずい。
かなりまずい展開だぞ、これは。
焦る私とは対照的に、お茶子ちゃんは話していて楽しそうだ。
わお、こりゃ確信犯だ。
にやにやと怪しい笑みを浮かべながら問いかけてくるお茶子ちゃんから、私はスーッ、と目をそらす。
我ながらド下手くそな誤魔化し方だ。
でもこれだけは絶対バレちゃいけない。
今後の生活に支障が出るものね。
ホットミルクが入ったマグカップを私の前に置き、弟は空いているソファーに腰を下ろす。
ありがとう弟よ、助かった。
いい所に来てくれたよ、ほんとに。
前言撤回。
とんでもない爆弾落としやがったこのポンコツ。
弟の爆弾発言に、周りにいた全員がぎょっ、としてこちらに振り向く。
私はホットミルクを吹き出しかけ、なんとか留まって盛大にむせる。
あー、これヤバいやつだ。
嵐の予感がする...。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。