第592話

No.587
7,974
2021/07/25 06:40
轟焦凍
あなた
あなた
なに?







現在、私の部屋。





夜はだいたい、私か弟のどちらかの部屋で2人一緒に過ごしていることが多い。





まあ、ほぼ強制的に弟に連れていかれるだけなんだけどね。







轟焦凍
なんでわかったんだ?
あなた
なにが?
轟焦凍
あなたがさっき話した内容と、俺の誤魔化した内容、全く一緒だったから...







ああ、さっきのか。







あなた
わかんないけど...双子だから、かな
轟焦凍
あなた
理由になってないかもだけどね







弟は私の言葉を聞くと、目を見開く。





が、すぐに口元を緩め、嬉しそうに笑った。







轟焦凍
なあ、あなた
あなた
なに?
轟焦凍
...
あなた
...どうかしたの?
轟焦凍
1個だけ、我儘、聞いてくれるか?
あなた
いいよ







なにを言うつもりなのかはわかんないけどね。





弟は私から目をそらすと、ぼそぼそと呟いた。







轟焦凍
...またお前のこと、抱いていいか?







思わず答えに躊躇う。





素直だな、こいつ...。





まあ、嫌じゃなかったからね。





これは私の、素直な気持ちだ。







あなた
いいよ
轟焦凍
!ほんとか
あなた
ただし、次の日にヒーロー基礎学がないこと。毎日はダメ、多くても1週間に2回にすること。あと私の部屋はダメ。この条件が守れないなら、絶対にしないから
轟焦凍
ああ、約束する。絶対だ







うむ、よろしい。





あんまりやると、私の体力がもたないもの。





これだけは絶対に譲れないよ。







轟焦凍
でも、なんでお前の部屋はダメなんだ?
あなた
レイがいるからよ







そう言うと、弟は納得したような表情をうかべる。





たぶん、やるとしたら結構声出ちゃうし...。





レイの睡眠を妨げることはしたくないからね。







轟焦凍
...今はダメか?
あなた
ダメ







今日はもうやったでしょーが。





私の身体がもたないよ。





そう言うと、弟はぷくっ、と頬っぺを膨らませる。





この仕草が似合う男子、なかなかいないと思うけど...。





弟がやると可愛く見えるのはなんでだろ。







あなた
そんな顔してもダメ。また今度ね
轟焦凍
じゃあ明日
あなた
明日はダメ。次の日にヒーロー基礎学あるでしょ
轟焦凍
あなた不足で死んじまう...







それくらいで死んだりしない、って。







あなた
...ハグとかなら、いいよ?
轟焦凍







そう言って腕を広げた私を見て、弟はすかさずこちらに向かってダイブ。





すりすりと猫のように頭をこすりつけてくるのを見て、私は思わず笑った。

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