第361話

No.359
8,530
2021/01/30 12:49
ひとしきりブランコで遊んだあと、私たちは公園を出る。





バスの時間までは、あと30分。







轟焦凍
ありがとな爆豪、ブランコ付き合ってくれて
爆豪勝己
感謝しろや
轟焦凍
もちろんだ







どうやらお気に召したようで。





弟はご機嫌だ。







あなた
あと30分あるけど、なにかやりたいこととかある?
轟焦凍
俺はブランコ乗れたからもう大丈夫だ
爆豪勝己
...特にはねえ







うーん、私も特にやりたいことないんだよね。





どう暇つぶししよう...。





と、誰かのお腹が鳴った。







轟焦凍
...







私と爆豪くんは一瞬顔を見合わせ、音のした方に顔を向ける。





そこにいたのは、やっぱり弟。





私と爆豪くんの視線に気がつくと、恥ずかしそうに私たちから顔を背けた。





それを見た私と爆豪くんは、同時に吹き出す。







あなた
ふふっ、お腹空いてるなら言えばよかったのに
爆豪勝己
んなとこでも舐めプかよ







私たちの言葉を聞いて、弟は不満そうに頬を膨らませた。







轟焦凍
別に舐めてねえ。疲れたから腹減ってんのは当たり前だろ
あなた
まあまあ、不貞腐れないの







まあ頑張ってたのは事実だものね。





よし。







あなた
じゃあ、コンビニでも寄っていこっか
轟焦凍
うん







素直に頷く弟に、私は笑みを零す。





丁度近くにコンビニがあったので、そこに入ることにした。





どっちにしろ晩御飯どうするか決めないとだし、もうコンビニで買っちゃうか。







轟焦凍
あなた、先にお会計していいか?
あなた
あ、うん







お会計...。





弟の口からお会計って言葉が出てくるとは思わなかったな。







爆豪勝己
なにしとんだ。さっさと選べや
あなた
わかってるよ







疲れすぎて逆にお腹空いてないんだよね。





わかるかな、この気持ち。







轟焦凍
あなた。俺らコンビニの前に居るから、お会計終わったら出てきてくれ
あなた
わかった







バスの時間まであと20分。





もうおにぎりでいいや、無難に。





あとは肉まんでも頼もう。





たらこのおにぎりひとつを持ってレジに行き、肉まんをひとつ注文する。





こんな買い食いしてるところ、お父さんに見られたら絶対怒られるだろうな。





なんて思いながら会計を済ませ、コンビニを出る。





外では弟と爆豪くんが待っていてくれ、私は慌てて二人の方へと駆け寄った。

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