第117話

No.117
16,819
2020/10/04 13:53
あなた
家庭訪問?








オールマイトの引退から、次の日。





ご飯を食べていると、お姉ちゃんから家庭訪問があると聞かされた。





そんなのあったっけ。





プリントだってもらってないし。







冬美
うん、学校から電話があってね。今日中に先生が来るらしいよ
あなた
ふーん
冬美
内容は、全寮制導入検討についてだって








寮?





雄英高校に寮なんてあったっけ?







轟焦凍
姉さん。先生って、いつ来るんだ?
冬美
うーん。なんか、学校から場所が近い順番に回ってるらしいから、いつ来るのかはわからないんだよね








寮かあ。





みんなで生活する、って考えると、ちょっと楽しそうかも。







冬美
二人は、どうしたい?
あなた
え?
冬美
寮に入りたい?








ふと考えた。





私と弟が寮に入ったら、家にはほとんどお姉ちゃん一人になってしまう。





お父さんは出張で留守にすることなんてしょっちゅうだ。





夏兄はたまに帰ってくるときはあるけど、そこまで頻繁にというわけでもない。





お姉ちゃんを一人にするのは、なんか嫌だな。







あなた
...
冬美
あなた。私のことは気にしなくていいから、自分の意思で決めたらいいんだよ
あなた
でも、それじゃあお姉ちゃんが...
冬美
私なら大丈夫だよ。お父さんや夏もいるし、平気平気








それでも答えを出せずに黙っていると、お姉ちゃんは少し笑った。







冬美
あなたと焦凍には、いっぱい苦労かけたからね。その分、学校生活をちゃんと楽しんできてほしいんだ。だってさ、人生で一度の学校生活だよ?楽しまなきゃ勿体無いじゃん








お姉ちゃんはそう言って、私と弟に笑いかける。







冬美
だからね。自分たちで決めていいんだよ
あなた
お姉ちゃん...








いつものように明るく振る舞うお姉ちゃんに、私は申し訳なさでいっぱいになった。





心配かけてばかりなのに、私たちのことばかり優先してくれるんだもの。





私にとって、やっぱり自慢のお姉ちゃんだ。







あなた
お姉ちゃん。私、寮に入りたい
冬美
よし、わかったよ。焦凍はどうする?
轟焦凍
...俺も、入りてえ
冬美
ん、わかったよ。じゃあ、寮に入る前提で先生には話しとくね。あ、お父さんにも言わなきゃ








え、お父さん帰ってきてるの?







あなた
お父さん、いるの?
轟焦凍
ああ。昨日の昼辺りから居るぞ
あなた
えぇ...早く言ってよ








知らなかったんだけど。





まあ、顔合わせても喋らないし、意味ないか。

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