第125話

No.125
16,088
2020/10/07 13:58
爆豪勝己
来い
上鳴電気
え?なに?やだ!








そんな重い雰囲気の中、爆豪くんが突然、上鳴くんを掴んで物陰に連れていく。





なにごとかと見ていると、上鳴くんであろう、放電が起こった。







上鳴電気
うぇーい








それから出てきたのは、アホになった上鳴くん。





個性使いすぎるとこうなるんだよね、上鳴くんって。





アホになった彼を見て、響香ちゃんは吹き出して爆笑、傍にいた瀬呂くんたちも苦笑している。







爆豪勝己
切島
切島鋭児郎
ん?








爆豪くんはなにがしたいんだろう。





そう思って目線で追いかけていると、爆豪くんは切島くんにある物を手渡した。





それは、お金だった。





しかも結構大金。







切島鋭児郎
えっ、怖っ!なに、カツアゲっ!?








カツアゲ、って...。





いくら爆豪くんでもそんなことはしないでしょ。







爆豪勝己
違ぇ!俺がおろした金だ。小遣いはたいたんだろ
切島鋭児郎
あ、おめぇ、俺が暗視鏡買ったのどこで聞いて...







切島くんが言い終わる前に、爆豪くんはお金を押し付けて寮の方へと向かっていく。





てか切島くん、そんなの買ってたんだ。







爆豪勝己
いつまでもしみったれられっと、こっちも気分悪ぃんだ!いつもみたいにバカ晒せ!








横では、アホになった上鳴くんを見て、みんなが笑っている。







あなた
爆豪くん...








爆豪くんは、きっと自分なりにみんなを元気づけようとしていたんだ。





それなのに私、なんにもできてないじゃん。





そんなことを考えて俯いていると、私の頭にぽん、と手が置かれた。







轟焦凍
お前が落ち込むことじゃねえだろ、あなた








頭に手を置いていたのは、弟だった。







あなた
だけど、爆豪くんはこうやってみんなのこと考えてるのに、私は...
轟焦凍
爆豪は爆豪。お前はお前、だ。あなただって、自分なりに考えてることあんだろ?みんなのこと、いっつも考えて行動してる。それと一緒だ








弟のその言葉に、私は少し励まされた。





顔を上げて、弟を見上げる。







あなた
なんか、ありがとね
轟焦凍
おう








お礼を言うと、弟はふわりと微笑んだ。

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