あんまり騒がしくしないで。
目立つからやだ。
やっぱり一人で食べた方がよかったかも...。
男子って無駄に力強いから、こういうの辞めてほしいよね。
上鳴くんは私の背中を叩いたあと、唐揚げを口に入れる。
てか、みんなほとんど唐揚げ弁当じゃん。
瀬呂くんだけはラーメンだけど。
ギャーギャーと騒ぐ中で、私は黙々とオムライスを頬張る。
うん、やっぱり一人の方がよかったわ。
何故?
黙ったまま首を傾げると、横に座っている瀬呂くんが言った。
まあ、爆豪くんはいつもの姿が素だからね。
ちゃんとした理由を述べろ。
うーん、男子ってこうなのか。
まったくわからん。
誰だって、話してほしくないことひとつやふたつぐらいあるだろう。
家族だからって、簡単に話すのはおかしいと思うんだ。
これは、波乱の予感...。
みんな食べるの遅すぎない?
そう言って立ち上がり、戻ろうとした瞬間。
誰かに腕を掴まれた。
爆豪くんだった。
爆豪くんに腕を引っ張られ、教室へ向かう。
結局、男子ってどんな感じなのか、いまいちわかんなかったな。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。