第13話

No.13
34,267
2020/08/27 13:33
現在、近くのスーパーで買い物中。





弟はコンビニに居た時と同じように、周りを興味深そうに見回している。





見ていてちょっとおもしろい。







あなた
カゴ持ってくれる?
轟焦凍
おう








恐る恐るといったようにカゴを持つ弟。





慣れてないとはいえ、反応がおもしろい。







あなた
じゃあまずは卵








卵を2パックカゴに入れて、次に行く。





野菜を入れて、他にも調味料や飲み物などもいくつかカゴに入れる。





それから、今日のメインである蕎麦を取りに行こうとする。





が、私の中にちょっとした悪戯心が芽生えた。





くるりと方向転換して、レジに向かうフリをする。







あなた
じゃあレジ行こっか〜
轟焦凍








あ、カゴの中確かめてる。







轟焦凍
あなた、蕎麦は?
あなた
結構遅くなっちゃったね、早く帰らないと








わざと聞こえないフリをする。





弟はとことことこちらについてきつつ、蕎麦はどうしたのかと連呼している。







轟焦凍
なあ、蕎麦は...
あなた
...
轟焦凍
あなた。蕎麦
あなた
...
轟焦凍
あなた








やばい、面白すぎる。





だけど、もうそろそろちょっと可哀想かな。





やめるか。





そう思って後ろを振り向くと、







あなた
...焦凍?








弟の姿が消えていた。





あとには、ぽつんと買い物カゴが置かれている。







あなた
焦凍〜








名前を呼んでみるが、返事はない。





どこ行ったんだ。





昔から弟は出かけた時、勝手にうろついて迷子になってたっけ。





いや、でも今は高校生だぞ?





そんなわけない。





とりあえず買い物カゴを持って、辺りをぶらつく。





弟はスーパーに来たことはほとんどないから、勝手にどこでも行くことはないと思うのだけれど。





まあ、現にどっか行っちゃったけどね。





にしても人が多すぎて、全然見つからない。





こちとら早く帰りてえんだよ。





とっとと出てきてくれよ。







あなた
焦凍〜、どこ行った〜
轟焦凍
なんだ?
あなた
うわっ!驚かさないでよ
轟焦凍
悪ぃ








あたかも最初からここにいましたみたいな感じで立っとんなや。





正直結構焦ってたんだからな。





私の心配返せ。







あなた
どこ行ってたの
轟焦凍
蕎麦取りに行ってた








そう言うや否や、弟はカゴに大量の蕎麦をドサドサと入れる。





私はその大量の蕎麦に目を移したあと、弟をジト目で見つめた。







あなた
私四人分だって言ったよね?なんでこんなに持ってきたの
轟焦凍
ストック
あなた
だからってなんで12人分持ってくるんだよアホか








全く。





弟は頼りになるのかアホなのか、わからん。

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