第533話

No.529
6,741
2021/06/21 13:51
轟焦凍
ん、っ
あなた
んぅ、っ...







寮に帰って、就寝支度を済ませたあと。





弟に呼ばれて部屋に行くと、部屋に入った瞬間壁に押し付けられた。





驚いている私に構わず、弟はそのまま唇を合わせてキスをしてくる。





最初は啄むような軽いキスだったが、そのうちに舌が入ってきて、だんだん深いキスへと変わっていく。





息が続かなくなって押し返そうとするが、弟はそれを許してくれない。





逆に背中に腕を回されて引き寄せられ、後頭部を押さえられ、より深く口付けてくる。







あなた
んぅっ、ん、はぁ...
轟焦凍
はぁ...、んっ







と思ったら、弟が突然、私の寝間着の中へと手を入れてきた。





するりと腰を撫でられ、びくりと身体が跳ねる。





思わずぎゅう、と弟の服を掴んでやめてと意思表示をすると、弟はそれに気がついたのか、私から離れた。







あなた
はあっ、
轟焦凍
わ、悪ぃ...やりすぎた







私はそう言う弟を見ながら、口元を拭って息を整える。





弟はそう言ってるけど、目が獲物を見つけた野獣のようにぎらぎらと光っている。







轟焦凍
なあ、あなた
あなた
なに?
轟焦凍
...してぇ
あなた







そう言って、弟は熱っぽい瞳をこちらに向けてくる。







轟焦凍
ダメか...?
あなた
っ、だ、ダメ
轟焦凍
あなた
あなた
ダメだってば
轟焦凍
...どうしてもダメなのか?
あなた
ダメったらダメ







くっそ面がいいな。





...じゃなくて!







轟焦凍
俺のこと、嫌いなのか?
あなた
そ、そんなんじゃないってば...んっ!
轟焦凍
しねぇならこうするからな







弟は私の服に手を入れると、つうっ、と身体のあちこちを指でなぞってくる。







あなた
んん、っ、やめっ
轟焦凍
やだ
あなた
やだ、って...ダメだって言って...ぅあっ!?
轟焦凍
ん、なんかえろいな...







誰のせいよ。







轟焦凍
なあ、これでもダメなのか?
あなた
だ、ダメだってば、
轟焦凍
...わかった







なかなか折れない私に、ようやく観念したようだ。





弟はそう言って私から離れると、しゅん、と項垂れる。





ありゃりゃ。







あなた
...ねぇ
轟焦凍
あなた
今日、一緒に寝よ?
轟焦凍







要望に応えられない代わりにそう言うと、弟がばっ、とこちらに顔を向けた。





と思ったら、自分の頬をむぎゅぎゅとつねり始める。







あなた
なにやってんの?
轟焦凍
いや、夢じゃねえかと思って...
あなた
なんでよ
轟焦凍
お前から一緒に寝ようとか、誘われたことねぇし...







まあそうだけどさ。





そんなに驚くかな。







轟焦凍
嬉しい
あなた
ん、そっか
轟焦凍
ああ







弟はそう言って嬉しそうに笑う。





でもまあ、弟がこうやって嬉しそうな表情を見せてくれるなら、私はそれで満足かな。

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