第349話

No.347
8,929
2021/01/21 07:05
昼食を食べたあとは、実戦演習だ。





主な内容は、ペアで行動して他のペアとの戦闘をする、って感じらしい。





私のペアは、弟と爆豪くん。





夏休み前の戦闘訓練と同じだ。







轟焦凍
よろしくな。あなた、爆豪
あなた
うん
爆豪勝己
ケッ、







弟の言葉に頷く私と、そっぽを向く爆豪くん。





爆豪くん、前までは弟がこんなこと言う度に、クソだのカスだの言ってたのにね。





ちょっとは丸くなったのかな。







爆豪勝己
舐めプしたらブッコロス
轟焦凍
わかった







前言撤回。





やっぱり変わってないや。







ギャングオルカ
揃ったか、ダボハゼ共







戦闘を行う会場に移動し終えると、仮免講習の担当のひとりであるプロヒーロー、ギャングオルカが現れる。





てか、ダボハゼ共、って...。





まあ試験に落ちたのは確かだけれども。





なんかパッとしないなぁ。







ギャングオルカ
さっさと姿勢を正せ!!







ひぇぇええ...。





身を縮こませながら、私たちはビシッ、と姿勢を整える。







ギャングオルカ
今日の実戦演習...。貴様らの行動がヒーローとして足るものに値するか、それを見極めるためのものでもある







姿勢を正して並ぶ私たちの前を、ギャングオルカがそう言って歩き回る。





相変わらず圧がすごい...。





プロってこんな感じなのかな。





でもオールマイトや相澤先生の場合は、そこまで圧は感じないんだよね。





...怒った時の場合の話は別だけど。







ギャングオルカ
今回は仮免試験の時と同じようなエリアを用意した。そのエリアをそれぞれ生かして戦うがいい







その言葉に返事をし、ギャングオルカの指示で私たちはペアに別れる。





各自でエリアに移動し始め、実戦演習開始の合図まで待機。





さてと、私たちも移動しなくちゃ。







あなた
じゃ、私たちも移動しよ
轟焦凍
おう
爆豪勝己
わーっとる







とは言ったものの、どのエリアに移動しようか。





と、爆豪くんが私を見て口を開いた。







爆豪勝己
どこのエリア移動したって、結局モブ共が戦い始めんだろが。そいつらを狩りゃいい







狩る、って...。





猛獣じゃないんだから。







轟焦凍
具体的には?
爆豪勝己
余計な体力を消耗させねえようにすりゃあいい。簡単に言えば手柄を横取りする、漁夫の利だ







漁夫の利...。





うーん、ヒーローとしてやってもいいことなのか、悪いことなのか。







爆豪勝己
てめぇらはちんたらして俺の足引っ張らなけりゃ別にいい。はよ移動すっぞ
轟焦凍
ああ







歩き出した二人の背中を、私は慌てて追いかける。





うーん、こんなんで大丈夫なのかな、この実戦演習...。

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