第547話

No.543
6,624
2021/07/03 10:17
あなた
ちょ、やめ、っ
轟焦凍
...
あなた
しょう、と...ひあ、っ







キスが終わったかと思ったら、ガブガブと鎖骨を甘噛みしてくる。





てかこいつ、すぐ噛むな。







あなた
や、めなってば!
轟焦凍
うぐっ







思わず右手で弟の口をふさぐ。





痕つけられたらたまったもんじゃない。





見つかったらみんなになんて言われるか。







相澤消太
轟弟。轟姉を見なかっ...







突然聞こえた声に、私たちはぴしりとかたまる。





ゆっくり顔をドアの方に向けると、そこにいたのは相澤先生。





ヤバい...。







あなた
!!あ、相澤先生これには理由が!!







慌てて起き上がり、口を開く。





どうしよう、絶対変な誤解されちゃったよ。





クラスメイトならまだしも、先生に見られるなんて思わなかった。







轟焦凍
先生、ノックしましたか?
あなた
あんたもなにか言いなさいよ!
轟焦凍
いってぇ...







呑気に尋ねる弟の頭を引っぱたくと、弟は頭を押さえて呻く。





そんな私たちを黙って見ていた相澤先生は、少し気まずそうに口を開いた。







相澤消太
ノックはしたんだが...聞こえてなかったか。急に入って悪かったな
あなた
い、いえそんな!先生はなにも悪くないですよ!







むしろ気が付かなかった私たちが悪いんだし。







あなた
ところで、どうして急に焦凍の部屋に?
相澤消太
お前を探してたんだ、轟姉。お前の部屋に行ったがいなかったから、ここにいるんじゃないかと思ってな
あなた
へぇ、そ、そうなんですか







さすが先生、わかっていらっしゃる...。





バレバレだったみたいね。







あなた
どうして私を?
相澤消太
お前にかけられた個性について、話があるんだ







え、やっぱり個性事故だったの?





私は思わず、小さくなった自分の体を見つめる。







相澤消太
個性をかけられた覚え、本当にないのか?
あなた
え、ええ。ないですけど...
相澤消太
誰かとぶつかったとか、そんなことも?







そう言われて、思い出した。





昨日の仮免講習の帰りに、男の人とぶつかったことを。







あなた
...昨日の講習の帰りに、男の人とぶつかりました
相澤消太
その時だな、個性をかけられたのは







相澤先生はそう言うと、目付きを鋭くさせる。







轟焦凍
先生、知ってるんですか?
相澤消太
ああ。轟姉、お前に個性をかけたそいつは、銀行強盗だ







え...?

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