現在、放課後の教室で勉強中。
今日のマイク先生の授業で、当然のように習ってない文法が出てきたもんだから、全くわからなかったんだ。
でも、なぜかこいつは理解してる。
予習してるからだろうとは思うけど、私だって一応やってるんだけどなぁ。
なんか複雑。
満足気に笑ってんじゃないよ、ばか。
そう内心毒づいていると、教室の扉が開けられた。
扉を開けたのは、相澤先生。
たぶん見回りかなにかだろう。
門限あったの忘れてたよ。
まあ、復習は帰ってからでもできるからいいか。
わからなかったらヤオモモちゃんにでも聞こう。
相変わらずだな。
弟と一緒に学校を出て、寮まで歩く。
明日は確か、ヒーロー基礎学あったかな。
休憩とかしてる場合じゃないかも。
寮に着くと、入り口前に緑谷くんが立っていた。
ゴミ出しの帰りかな。
緑谷くんの話によると、ゴミ出しに行く際、奇妙なことにあったらしい。
なんでも、顔面がいきなり壁やら地面やらから出てきて喋り始めたとか。
なにそれ怖い。
普通にホラーじゃん。
壁とか地面をすり抜ける個性とか使ってるのかもしれないしね。
でも、そんな人1年生にはいなかったと思うけど。
そう言うと、緑谷くんは焦ったような表情になる。
私が励ますと、緑谷くんは少し安心したように笑った。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。