第22話

No.22
29,150
2020/08/30 14:31
電車を乗り継いで、いつもの最寄り駅に着く。





電車に乗る前も、乗った後も、弟は手を離してはくれなかった。





電車内に雄英の生徒がいなかったからまだ良かったけど。





居たら高校生活終わるわ。







あなた
ねえ、そろそろ離して?
轟焦凍
ダメだ。まだ人多いだろ
あなた
電車降りたじゃん
轟焦凍
でもやだ








子供かよ。





離そうにも、弟の握力はゴリラ並み。





渋々繋いだままにするしかないんだよね。





でも、こんなところ誰かに見られたら...、







麗日お茶子
あ、あなたちゃ〜ん!!
あなた








やっば。







あなた
焦凍、さすがにそろそろ...
轟焦凍
まだ学校着いてねえだろ
あなた
もうみんな居るから大丈夫だってば!
轟焦凍
ダメだ
あなた
こんなとこで過保護発動しないでくれよ








もう、諦めよ。







耳郎響香
あれ、轟もいるじゃん
蛙吹梅雨
仲良しなのね、二人とも
芦戸三奈
カップルみたーい!!
あなた
そこには触れないで








ニヤニヤとしているみんなだけど、誤解だからな。





私たちはみんなが思ってるような仲良しカップルじゃなくて、双子なんですからね!







あなた
焦凍、手ぇ離して
轟焦凍
おう








そう言うと、弟はようやく手を離してくれる。







轟焦凍
あなた、あとでな
あなた
...








無言のままの私の頭を、弟はぽんぽんと撫でる。





みんなが見ている前でなにしてくれてんだ、あんたは。





弟が去っていったのを見て、私は盛大なため息をつく。







麗日お茶子
轟くんって、あんな感じやったっけ?
葉隠透
うーん。でもあなたちゃんのことが大好きなのは知ってるよ!
八百万百
見ていて微笑ましかったですわ
あなた
やめてよみんな。あいつは無駄に過保護なだけなんだから
麗日お茶子
えー、いいことやん!








これ、双子だってこと知らなかったらやばかったよね。





元々みんなは恋バナ好きだし、問いつめられまくってるよきっと。







麗日お茶子
まあとりあえず、着替えてプール行こっか!!
蛙吹梅雨
そうね、行きましょう








弟の件は、まあ大丈夫でしょ。





それより今は、思いっきり楽しまなきゃ!





学校のプールを使っていい許可も、ヤオモモちゃんがもらってくれたし。





夏休みなのに、あんまり外出できないっていうのは残念だけどね。





今はプールを楽しも!!

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