第602話

No.597
6,700
2021/08/04 15:11
常闇踏陰
へっちょい!








私のすぐ横を歩いていた常闇くんが、軽くくしゃみをする。







麗日お茶子
風邪?大丈夫?
常闇踏陰
いや...息災、我が粘膜が仕事をしたまで
麗日お茶子
何それ
上鳴電気
噂されてんじゃね!?ファンできたんじゃね!?ヤオヨロズー!みたいな







上鳴くんがそう言うと、ヤオモモちゃんが少し恥ずかしそうに言った。







八百万百
茶化さないで下さいまし!ありがたいことです!







それを聞いて、文化祭の時を思い出す。





確かに、ヤオヨロズコールすごかったものね。







麗日お茶子
常闇くんはとっくにおるんやない?だってあのホークスのとこインターン行っとったんやし
常闇踏陰
いいや、ないだろうな。あそこははやすぎるから







"ホークス"






その名前を聞いて、私は思わずお茶を飲むのをやめる。





隣に座っている弟が、不思議そうにこちらを見つめて口を開く。







轟焦凍
あなた、どうした?
あなた
...ううん、なんでもない







はやすぎる男、ホークス。





過去に一度だけ、彼と話したことがある。





少しおちゃらけていたというか、なんというか...。





とにかくなんかすごい人だった。





このことは、誰にも話してないんだけどね。





もちろん、弟にも。







轟焦凍
なにかあったら言えよ
あなた
うん、ありがとね
轟焦凍
おう







と、寮のドアが開く音が聞こえた。





それと同時に、飯田くんが私たちの方を振り返って口を開く。







飯田天哉
来たぞみんな!お出迎えだ!







そのひと言が終わると同時に、聞き覚えのある声が聞こえてくる。







マンダレイ
煌めく眼でロックオン!
ラグドール
猫の手手助けやって来る!
どこからともなくやってくる
ピクシーボブ
キュートにキャットにスティンガー!







"ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ"






4人が声を揃えて言うのを見て、私たちはわっ、と駆け寄った。







ピクシーボブ
元気そうね、キティたち!







みんながそれぞれの会話を繰り広げていく中、一部はにくきゅうまんじゅうを貰って騒いだり、過去の出来事について話したりと、さまざまだ。







あなた
...元気そうだね
轟焦凍
そうだな







林間合宿の時を思い出す。





楽しくなるはずだったのに、ヴィラン連合によって最悪なことに変わってしまった合宿。





あの悲劇はもう、繰り返さないようにしなきゃ。





だから、私たちはもっと強くなるんだ。





攫われたりしないように、もうあんな悲劇を起こさないために。

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