第84話

No.84
18,461
2020/09/23 08:54
あなた
常闇くん、大丈夫?
常闇踏陰
あぁ、すまない。お前にも迷惑かけたな








そう言うと、常闇くんは障子くんと緑谷くんにも言った。







常闇踏陰
障子、悪かった。緑谷も...。俺の心が未熟だった。怒りに任せ、ダークシャドーを解き放ってしまった。闇の深さ、そして俺の怒りが影響され、奴の凶暴さに拍車をかけた。








常闇くんは俯き、悔しそうにしながら言葉を紡ぐ。







常闇踏陰
結果、収容もできないほど増長し、障子を傷つけてしまった...!








たぶん常闇くんは、障子くんに対しての申し訳なさでいっぱいになっているのだろう。





だけど障子くんは、きっと怒ってなんかいない。





それに今の状況、こんなことをしている場合ではない。





話は後だ。







障子目蔵
そういうのは後だ。と、お前なら言うだろうな








障子くんの言葉に、常闇くんははっ、としたように顔を上げた。





そして障子くん、緑谷くんを見て、力強く頷いた。







緑谷出久
そうだ...!ヴィランの目的のひとつが、かっちゃんだって判明したんだ!
常闇踏陰
爆豪?命を狙われているのか、何故?
緑谷出久
わからない、
あなた
とにかく、ここに居たら危ない。安全を確保するなら、やっぱり宿泊施設に行くのが一番なんじゃないかな
緑谷出久
うん。施設にはプロヒーローや、相澤先生もいるからね








私の言葉に、緑谷くんが頷く。







常闇踏陰
なるほど。これより我々の任務は、爆豪を送り届けることか
緑谷出久
ただ広場は、依然プッシーキャッツが抗戦中。道なりに戻るのは、ヴィランの目につくしタイムロスだ。まっすぐ最短がいい
轟焦凍
ヴィランの数わかんねえぞ。突然出くわす可能性もある
あなた
でもそんなこと言ってたら、結局動けなくなる
緑谷出久
障子くんの索敵能力がある。そして轟くんの氷結、轟さんの炎。さらに常闇くんさえいいなら、制御手段を備えた、無敵のダークシャドー。このメンツなら正直、オールマイトだって恐くないんじゃないかな








それはどうかわかんないけど、まあ置いておこう。





それよりも私たちは、爆豪くんを施設に送り届けることを最優先にしなければならない。





絶対ヴィランになんか、渡さないんだから。







爆豪勝己
俺を守るんじゃねえクソ共!!








だけど爆豪くんは、そんな私たちが気に食わないみたい。





プライド高いからなあ。







障子目蔵
行くぞ!
爆豪勝己
無視すんな!!
轟焦凍
ちゃんとついてこいよ
爆豪勝己
命令すんな!!








機嫌悪いなあ。





そこでふと思い立って、私は緑谷くんの方に駆け寄った。







あなた
ところで緑谷くん。さっき、どこ行ってたの?
緑谷出久
えっと、洸汰くんのところだよ
あなた
...ヴィランに、襲われてた?








そう言うと、緑谷くんは驚いたように目を丸くした。







緑谷出久
なんでわかったの?
あなた
その怪我見ればわかるよ。洸汰くんを助けるために、ヴィランと戦ったんでしょ?
緑谷出久
うん、勝手に行動してごめん。洸汰くんがどうしてるか気になって、いてもたってもいられなくなって...








私は首を振った。







あなた
謝る必要ないよ。その助けようとする気持ち、私は好きだな
緑谷出久
あなた
緑谷くんのいいところだと思うよ
緑谷出久
轟さん...








そう言ってにっこり笑えば、緑谷くんは少し頬を赤く染めて頷いた。

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