第174話

No.174
15,394
2020/10/22 09:37
轟焦凍
大丈夫か?








弟は私を抱き止め、そのまま背中を軽く叩く。





私は呼吸をするので精一杯で、ただ首を振ることしかできなかった。







轟焦凍
大丈夫じゃねえのか...。








あれだけやって、大丈夫なわけない。





弟の落ち込んだ声に、私は心の中で突っ込んだ。







轟焦凍
悪ぃ、
あなた
いいよ別に。仕方ないしさ、とりあえず晩御飯、食べに行かなきゃ








体を起こして、弟を見つめて言った。





と、弟は私と目が合った瞬間、再び触れるだけのキスをしてきた。





...これ、無意識だったりする?







轟焦凍
なああなた。もしキスしたくなっちまったらどうすんだ?あなたのとこ行けばいいのか?
あなた
それはダメ。絶対








百歩譲って二人だけの時なら、まだいい。





だけどみんなの前でされるのは、さすがにごめんだ。





個性にかかっているとはいえ、さすがにみんなの前でキスなんてできない。







轟焦凍
じゃあどうすんだ?
あなた
どうしてもしたくなったら、爆豪くんとでもしといて。もしかしたら同性でも効果あるかもしれないし
轟焦凍
俺が、爆豪と...?








先程お茶子ちゃんが言っていた、同性でもありなのかどうかを確かめる。





なら弟自身が仲が良い(自称)と言っていた爆豪くんなら、その役にぴったりだろう。





緑谷くんはなんか可哀想だから、提案に出すのはやめておく。







轟焦凍
爆豪とならいいのか?
あなた
よくわかんないけどいいんじゃない?
轟焦凍
そうか、わかった








弟のせいで若干はだけてしまった服を直していると、物凄い視線を感じて振り向く。





視線の正体は、やはり弟。







あなた
なに?
轟焦凍
いや、なんか...えr
あなた
それ以上喋るな
轟焦凍
...








軽く睨んで言えば、弟は黙る。





なんてこと言うんだこいつは。







あなた
みんなの前で絶対キスしないでよ。あと女子たちにも。いくら個性かかってるからって、許さないからね
轟焦凍
任せろ








なんか心配になってきたよ。





大丈夫かな、こいつ。







轟焦凍
したくなったら爆豪に頼む
あなた
う、うん...。








自信満々に言うけどさあんた。





爆破されるだけだと思うんだけど。





とても爆豪くんから許可おりるなんて思えないんだよね。





...私、ちょっと間違っちゃったかもしれない。

プリ小説オーディオドラマ