第82話

No.82
18,691
2020/09/22 14:05
爆豪勝己
っ、じゃあどうやって戦えっつんだよ








ぐっ、と拳を握る爆豪くん。





きっと悔しいんだ。





戦闘許可を得ているのに、自分になにもできないことが。





そりゃそうだよね。





私だって、同じ気持ちだから。







轟焦凍
俺の氷結でなんとかする。だから爆豪、お前はあなたを守ってやってくれねえか
爆豪勝己
...わーったよ!仕方なくだかんな!
轟焦凍
ああ








話がまとまった、その直後。







マンダレイ
ヴィランの狙いのひとつ判明!狙いは生徒の"かっちゃん"!








それを聞いて、私は思わず自分の耳を疑った。





かっちゃん、って...。





爆豪くんのことだよね?







マンダレイ
かっちゃんはなるべく戦闘を避けて!単独では動かないこと!分かった!?かっちゃん!








それを聞きながら、爆豪くんは走り出した。







爆豪勝己
かっちゃんかっちゃんうるせえんだよ、頭ん中でよ!!








その時、ヴィランが爆豪くんに向かって攻撃をしてくる。





それを見た弟が、慌てて氷結で防いだ。







轟焦凍
不用意に突っ込むんじゃねえ!!
あなた
落ち着いて、爆豪くん!
轟焦凍
さっきの聞こえてたか?お前狙われてるってよ








弟の言葉に、爆豪くんはさらに苛立ちを募らせる。





なにに対して気に食わないのかはわからない。





だけど、守ってもらうことが嫌なように見えた。





爆豪くん、プライド高いからなあ。







轟焦凍
チッ、地形と個性の使い方がうめぇ








ヴィランが地形を上手く使いながら個性を使ってくるため、弟の氷結での攻撃が中々当たらない。







爆豪勝己
見るっからに雑魚のひょろがりの癖しやがって!この野郎!!
轟焦凍
相当場数踏んでやがる








今にも爆破しそうな爆豪くんを見て、弟が言った。







轟焦凍
ここででけぇ火使って燃え移りでもすりゃ、火に囲まれて全員死ぬぞ!わかってんな!
爆豪勝己
喋んな!わーっとるわ!








周りは有毒ガス、目の前にはヴィラン。





逃げ道はない。





今はただ、このヴィランと戦うことしか選択肢がないようだった。







轟焦凍
あなた、下がってろ








弟がそう言って、私を庇うようにして前に出る。







轟焦凍
俺が絶対、守ってやる
あなた
焦凍...
轟焦凍
個性は使うな。炎が燃え移る可能性が高くなるからな
あなた
う、ん。わかった








私...。





弟に守ってもらってばかりだ。





なにもできない、できていない。





むしろ、足でまといになってる。







轟焦凍
あなた、避けろ!
あなた
っ!!








弟の声で、我に返る。





ヴィランからの攻撃を、慌てて避ける。





逃げることしか、私にはできないの?

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