第365話

No.363
8,631
2021/02/06 17:31
切島鋭児郎
お〜補講組!おかえり!







やっとの思いで寮に帰ると、共有スペースで男子たちがくつろいでいるところだった。







あなた
ただいま切島くん。女子たちは?
切島鋭児郎
晩飯食ってすぐに風呂入りに行ってたんだけどよ、そこから見てねぇなあ







もう寝たのかな。





でも寝る時間にしては早すぎるんだよね。







上鳴電気
おー姫と轟、かっちゃん。お帰りぃ〜







上鳴くんがそう言って、こちらに歩いてくる。





が、私たちを見た瞬間、ぎょっ、としたような表情になった。







上鳴電気
うぇええ!?どったの!?その顔!!







その声を聞いて、周りにいたみんなも集まってくる。





注目浴びたいわけじゃないんだけど。







あなた
仮免講習が思ったよりスパルタでさ。こうなっちゃった
上鳴電気
姫の綺麗な顔に傷が...
あなた
そんな反応しなくても大丈夫だって







崩れ落ちる上鳴くんを見て、思わず苦笑する。





てか、私の顔よりもツートップの方がいいでしょーが。







緑谷出久
轟くん、大丈夫?
轟焦凍
平気だ。なんともねぇ
切島鋭児郎
お疲れだなバクゴー!みんなもう風呂入ったから、お前も早く入れよ!
爆豪勝己
わーっとるわ!







みんな元気だね...。





私もお風呂入らなきゃ。







あなた
焦凍、お風呂上がったら部屋おいで。絆創膏貼りなおすから
轟焦凍
おう、わかった







自室に戻って荷物を置き、着替えを持ってお風呂場へと向かう。





お風呂場には誰もいなくて、私ひとりだった。





おー貸し切り状態だ、結構贅沢。





さっ、とシャワーを浴びて体と髪を洗い、湯船に浸かる。





ちょっと温いのは我慢しよう。





てか女子組、どこいっちゃったんだろ。





共有スペースにいないってことは、誰かの部屋にいるってことだよね。





いるとしたらヤオモモちゃんの部屋か、響香ちゃんの部屋か。





私の中では、その二択だ。





ふぅー、っと息を吐き出すと、体の疲れが一気に取れていくような感覚になる。





あんまり浸かりすぎていても逆上せるだけだし、そろそろ上がろうかな。





そう思い、私はいつもよりも早めにお風呂から上がった。





早く部屋に戻ってレイに餌あげなくちゃ。





あと明日の学校の準備も忘れないうちにしておこう。





弟の傷の手当てはその後だ。





これからすることをいろいろ考えながら、私は共有スペースへと向かった。

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