第405話

No.403
8,066
2021/04/04 15:59
深夜。





みんながとっくに寝静まった頃。





なぜかわからないが、私は目が覚めてしまった。





なんでこんな時間に起きたんだろ。







轟焦凍
...







隣では、弟が穏やかな表情で眠っている。





...さすがに起こしちゃ悪いよね。





そう思い、私は弟を起こさないようにそっ、と布団から出る。





それから弟の頭をひと撫でしてから、音を立てないようにして部屋を出た。





共有スペース行ってなんか飲もう。





そう思いながら、真っ暗な廊下を歩く。





...そういえば私、暗いの苦手なんだった。





早く行って飲んで戻ろう。





共有スペースに行くと、明かりは付いていなかった。





まあ、当たり前だよね。





こんな時間に起きてる人なんていないし。





と、






???
みんな、来たか?







そんな声が聞こえて、私は足を止めた。





どうやら誰かいるみたい。





誰...?







???
うん
???
来たわ







ひとりじゃない。





それにこの声...。





私は見つからないように、壁に身を潜めながら声のした方へと顔を向けた。







切島鋭児郎
いよいよだな
蛙吹梅雨
そうね
麗日お茶子
頑張ろう...!







共有スペースに集まっていたのは、切島くん、梅雨ちゃん、お茶子ちゃん。





そして、







緑谷出久
うん







緑谷くんだ。





この4人が集まってる、ってことはインターン絡みだろう。





けど、こんな夜中になってからどうして...?





疑問に思っていると、緑谷くんが呟いた。







緑谷出久
決行日...!







え?







あなた
決行日...?







驚きのあまり、私は思わず声を上げた。





私の声が静かな共有スペースに響き、全員が一斉にこちらに目を向ける。





もう、隠れる必要ないか。





私はそう思って隠れるのをやめ、彼らの方へと歩み寄る。







緑谷出久
轟さん...!?







緑谷くんが私を見て、驚いたように目を見開いた。







あなた
盗み聞きするつもりはなかったの、ごめんなさい。けど、ひとつだけ聞きたい。決行日、ってなに?緑谷くんたちは、今からなにをしようとしているの?







私の言葉を聞くと、彼らはお互いに顔を見合わせ、俯いた。

プリ小説オーディオドラマ