爆豪くんはヤケクソ気味に叫んだ。
てか掌握しろ、って言われても、なにをどうしたらいいのかさっぱりわからない。
...なんかプレゼント・マイク、実況始めてるし。
めちゃくちゃだぁ。
はあ...。
いつまで私はベルトを触らせてればいいのさ。
てかよく飽きないね、そんなに面白いものかな。
と、
突然そんなことを聞かれた。
驚きのあまり、思わず声を上げる。
まあ、そうなんだけどさ。
弟のやつめ、だから人前ではやめろとあれ程言ったのに...!
なんかややこしくなってきた。
まあそこは共感できるかな。
というか、今のでちゃんと伝わったんだ。
今の子供って、結構理解力あるのかもね。
突然そんな声が聞こえてきて、目を向ける。
見れば、爆豪くんが必死になって子供を追いかけていた。
ああ、あの手榴弾みたいなやつ取られてたんだ。
てかあれ、結構危ないんじゃ...。
危ない、ってことはちゃんと自覚してるんだ。
それをわかっててちゃんと外して子供たちに接しているのは、爆豪くんのいいところだよね。
ただ、暴言は相変わらずだけど。
全く、世話の焼ける...。
ん?
なんでみんなこっち見てかたまってるの...?
そう言ったかと思うと、子供たちは大人しく私の前に手榴弾を置いて走り去っていった。
...なんだったんだいったい。
あれ、って好かれてるのかな。
うーん、わからん。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。