めんどくさ。
雄英、ってなんでこんなにめんどくさい女子生徒が多いんだろ。
謎だよ。
一刀両断。
まさにそれを思わせる会話だ。
まあ、執拗いのは嫌いだろうからね。
さすがに限界だったのか、女子生徒は爆豪くんの前から走り去っていく。
まああれだけ言われれば、そうなるよね。
と、
突然、爆豪くんが口を開いた。
名前を呼ばれ、びくりと肩が跳ねる。
それから恐る恐る爆豪くんの前に歩み寄った。
気づかれてたんだ...。
というか、ほんとに人目につかない場所だよ、ここ。
裏庭とか、そんなんじゃないんだね。
まああれだけ嫌そうにしてたものね。
それにしても執拗い人だったな。
あ、そういえば...
私の言葉を聞くと、爆豪くんの肩が小さく跳ねた。
え、まじ?
そう言って歩き出した彼を、慌てて追いかける。
A組じゃないとするなら、B組かな。
いやでも、普通科とかにもいたりして...。
私は少し考えてから、へらりと笑った。
私はそう言って、パタパタと教室に向かって駆け出す。
爆豪くんのそのひと言は、私の耳には届かなかった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!