第433話

No.430
7,737
2021/04/09 09:21
モブキャラ(女)
お願い!誰が好きかどうかだけ教えて!
爆豪勝己
んでてめぇなんかに教えなきゃいけねえんだよ!!
モブキャラ(女)
だって...っ、じゃないと私、諦められないの!







めんどくさ。





雄英、ってなんでこんなにめんどくさい女子生徒が多いんだろ。





謎だよ。







爆豪勝己
てめぇいい加減にしろや。俺ァ相手が男だろうが女だろうが対応は変わんねえぞ
モブキャラ(女)
そんなこと知ってるよ、
爆豪勝己
だったらはよどっかいけ。邪魔なんだよ







一刀両断。





まさにそれを思わせる会話だ。





まあ、執拗いのは嫌いだろうからね。







モブキャラ(女)
っ...







さすがに限界だったのか、女子生徒は爆豪くんの前から走り去っていく。





まああれだけ言われれば、そうなるよね。





と、







爆豪勝己
おい







突然、爆豪くんが口を開いた。







爆豪勝己
てめぇはそこでなにやっとんだ、あなた
あなた







名前を呼ばれ、びくりと肩が跳ねる。





それから恐る恐る爆豪くんの前に歩み寄った。





気づかれてたんだ...。







あなた
...いつから気づいてたの?
爆豪勝己
んなもん最初っからだわ。舐めんな
あなた
別に舐めてないし







というか、ほんとに人目につかない場所だよ、ここ。





裏庭とか、そんなんじゃないんだね。







あなた
災難だったね
爆豪勝己
ほんとだわ。ネチネチうるっせぇ







まああれだけ嫌そうにしてたものね。





それにしても執拗い人だったな。





あ、そういえば...







あなた
ねぇ、爆豪くん
爆豪勝己
んだよ
あなた
さっき好きな人いる、って言ってたけど、もしかしてA組にいるの?
爆豪勝己







私の言葉を聞くと、爆豪くんの肩が小さく跳ねた。





え、まじ?







爆豪勝己
...違ぇよ
あなた
えー違うの?
爆豪勝己
いいから戻ンぞ







そう言って歩き出した彼を、慌てて追いかける。







あなた
ね、せめてどこのクラスかは教えてよ
爆豪勝己
んで教えなきゃならねえんだよ
あなた
そんなの、応援したいからに決まってるじゃん
爆豪勝己







A組じゃないとするなら、B組かな。





いやでも、普通科とかにもいたりして...。







あなた
それに、爆豪くんに告白されて断る人、いないと思うけどなぁ。相手に好きな人がいるなら話は別だけど
爆豪勝己
...てめぇは
あなた
ん?
爆豪勝己
てめぇは、誰かに告白されたらどうすんだ。そいつが、クラスメイトだったりしたら







私は少し考えてから、へらりと笑った。







あなた
たぶん、断るかな。それに相手だって、例え私と交際してても、すぐに飽きて離れていっちゃうよ
爆豪勝己
...
あなた
ほら行こ。昼休み終わっちゃう







私はそう言って、パタパタと教室に向かって駆け出す。







爆豪勝己
...俺だったら、あなたから離れたりなんかしねぇよ







爆豪くんのそのひと言は、私の耳には届かなかった。

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