第347話

No.345
8,944
2021/01/19 13:28
目良
で、あるからして、ここは...







午前中は座学の時間。





私の席は結構後ろの方で、両サイドに弟と爆豪くんが座っている。





爆豪くんがものすごく静かすぎて、なんか怖い。







目良
それじゃあ今から、ここの問題を解いてください。できた人からこちらに持ってきて見せるように







目良さんは相変わらず眠たそうだ。





てかここの問題、イマイチよくわかんないな...。







爆豪勝己
...
轟焦凍
...






隣にいる弟と爆豪くんは、無言でノートにペンを走らせている。





弟がハイスペックなのは知ってるけど、爆豪くんも頭良いんだよね。





元々地頭がいいのかもね。







轟焦凍
あなた、どうした?







突然声をかけられて振り向くと、弟が隣で不思議そうな表情をしてこちらを見つめている。







轟焦凍
手ぇ止まってっけど、なんかあったのか?
あなた
いや、この問題ちょっと難しいなぁ、って
轟焦凍
なら俺が教えるぞ
あなた
じゃあ、お願いしてもいい?
轟焦凍
おう、任せろ







そのやり取りを聞いていたのか、爆豪くんが鼻で笑った。







爆豪勝己
んな問題も解けねぇのかよ、ダセェな
あなた
うるさいよ







可笑しそうに笑う爆豪くんを、私はジト目で見つめる。





まったく...。





すぐにこれなんだから。







轟焦凍
爆豪は解けたのか?
爆豪勝己
とっくに終わっとるわ。舐めんな
轟焦凍
舐めてねえ







ケッ、と笑いながら立ち上がると、爆豪くんは目良さんの方へと歩いていった。





他のみんなも、熱心に手を動かしている。







轟焦凍
具体的にどこがわからないんだ?
あなた
えっと、ここ。計算のやり方がイマイチなんだよね
轟焦凍
わかった







大雑把かと思いきや、弟は意外とわかりやすい説明をして教えてくれる。





普段もこうだといいのに。





まあ、教えてもらってる以上はなにも言えないんだけどね。







轟焦凍
で、最後にここを求めたら終わりだ。わかったか?
あなた
ん、ありがと
轟焦凍
おう







私たちは立ち上がり、ノートを持って目良さんの方へと向かう。





答えは当たっていたらしく、OKサインをもらった。







轟焦凍
他にもわかんねぇとこあったら、いつでも聞けよ
あなた
うん







こういう時の弟は、実は結構頼もしかったりする。





こういう時だけ、ね...。





バスの中で喧嘩は辞めてほしいけど。

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