第255話

No.255
10,923
2020/12/08 13:53
その日の放課後のことだった。







モブキャラ
すみません。轟あなたさん、いますか?








帰宅しようと準備をしているところへ、一人の男子が教室のドアから顔を覗かせた。





名前を呼ばれ、ドアの方に目を向ける。







飯田天哉
あなたくんならそこに居るが、彼女になにか用があるのか?言ってくれれば俺が伝えておくが...
モブキャラ
いや、大丈夫。ちょっと轟さんと二人で話したいことがあるから








飯田くんがなにかを言うが、彼はそれを断る。





話がある、って言ってたよね?





はて?





いったいなんの話だろ。







モブキャラ
轟さん、今時間大丈夫?
あなた
うん、大丈夫だけど...。なんの話なの?
モブキャラ
それは、二人の時じゃないとできないかな。だから、ちょっと俺についてきてくれない?
あなた
いいけど、








脳内を?マークでいっぱいにしながら、私は了承する。





彼はぱあっ、と顔を輝かせ、ついてこいと言わんばかりに歩きだした。







轟焦凍
あなた、
あなた
あ、焦凍。先に帰ってて
轟焦凍
あ、おいあなた








弟が呼び止めようとしてくるが、私はそれを振り切ってあとをついていく。





どこまで行くんだろ。





もう結構距離あるけど。







あなた
ねぇ、どこまで行くの?
モブキャラ
...じゃあ、ここまででいいかな








しばらく歩いたところで立ち止まり、彼はくるりとこちらに向き直る。





てか、私彼のこと全く知らないんだけど。





それで話って、なに?







あなた
なにか迷惑かけてしまったんなら、謝るけど...?
モブキャラ
あ、いや違うんだ。これは俺が一方的に...







ならなんなんだろ。





全く心当たりがないんだが。





彼は少し緊張したように顔を強ばらせ、すぅっ、と息を吸う。





そして深い息をついたあと、まっすぐ私を見つめて言った。







モブキャラ
ずっと前から貴方のことが好きでした!俺と付き合ってください!








.......は?







思ってもみない言葉に、私は思わず思考停止状態。





え、だってさ。





これって、告白だよね?





え、なんで?







あなた
えっ、と...








私は何を言ったらいいのかわからなくなった。





だって、全く面識ない人からいきなり付き合ってください、だなんて...。





断るしかないよね。





まず私、好きな人いないし。





でもこういうのって、どう断るのが一番ベストなんだろう。





誰かアドバイスをくれ。

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