第570話

No.565
6,536
2021/07/17 03:14
しばらくすると、弟がゆっくりと目を開ける。







あなた
あ、起きた?







そう言って顔を覗き込むと、弟は私を見つけたようで...。





嬉しそうにふにゃりと笑った。







あなた
おはよ、焦凍。ちゃんと寝れた?
轟焦凍
おはようあなた。ん、ちゃんと寝れたぞ
あなた
そっか。ならよかった







おはよって言っても、もう夜なんだけどね。





頭を撫でてやると、弟は気持ちよさそうに目を細める。







あなた
具合はどう?
轟焦凍
だいぶ良くなった







弟はそう言うと、私の胴に巻きつくようにして抱きついてくる。





あ、こら。





ここ共有スペースなのに。







緑谷出久
あ、轟くん。起きたんだ...ね







緑谷くんがそう言いながらやってきて、私たちを見たとたんかたまる。





ああもう、だから言ったのに。







轟焦凍
お、緑谷
緑谷出久
お、おはよう轟くん。具合はどう?
轟焦凍
だいぶ良くなった。あなたのおかげだ
緑谷出久
そっか。よかったね
轟焦凍
ああ







緑谷くん、気ぃ使ってくれてるんだろうなあ。





それも知らずにこのド天然ぽやぽや野郎は...。







あなた
もう...。ほら、部屋戻るよ
轟焦凍
あなた
まだ完全には治ってないんだから、部屋に戻って安静にしてなきゃ。緑谷くんたちに移したら困るでしょ?
轟焦凍
確かにそうだな







よく見ると、顔色もだいぶ良くなっている。





今日中に治ればいいんだけどね。







切島鋭児郎
お、轟起きたんだな
轟焦凍
ああ
飯田天哉
体は大丈夫か?
轟焦凍
結構楽になった。明日には治りそうだ







弟がそう言うと、みんなは安心したように笑った。







あなた
じゃあみんな、私たち先に部屋戻るね
切島鋭児郎
おう!轟、お大事にな!
瀬呂範太
ゆっくり休めよ!
轟焦凍
ああ、ありがとう







私はみんなにそう言ってから、弟を連れてエレベーターに乗る。





まあ、男子棟の方なんだけどね。







轟焦凍
...
あなた
焦凍?







エレベーターに乗ってすぐに、弟が背後からもたれかかってきた。







あなた
どしたの
轟焦凍
甘えたくなった
あなた
さっき膝枕したのに?
轟焦凍
うん







肩に頭をぐりぐりと擦り付けてきながら、弟は私のお腹に腕をまわしてくる。







あなた
甘えてもいいけど、部屋着くまで待って
轟焦凍
あなた
あ、こら。首の後ろ舐めないで...っ







ぺろ、と舌で舐めあげられ、私は変な声を出すのを抑える。





すぐにそうやって舐めるんだから...。





物理的に舐めプ野郎じゃん、こいつ。

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